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太陽の季節 (新潮文庫)

太陽の季節 (新潮文庫)

太陽の季節 (新潮文庫)

作家
石原慎太郎
出版社
新潮社
発売日
1957-08-07
ISBN
9784101119014
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太陽の季節 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第34回(1955年)芥川賞。 後に「太陽族」という言葉も生まれた 石原慎太郎の作品。若者の無謀さ・享楽志向を 正面から描く。 選考時には賛否真二つに別れ、 物議を醸したらしいが、 今読んでも竜哉と英子の圧倒的な存在感が、 そして 彼らのデタラメな若さが 本当にみずみずしく 「快楽」に真正面から 取り組んだ青春文学の傑作だと思う。

2017/06/18

ヴェネツィア

1955年度下半期芥川賞受賞作。作品が発表された当時は、「広く社会全体に新鮮な衝撃を与える事件となった」らしい。おそらくは作中に溢れる暴力、乱脈なセックス、中絶などが顰蹙をかったものだと思われる。ただ、それらも今となってみると、単なる風俗小説の域を出ないと言えなくもない。選考委員の佐藤春夫が本編に「美的節度の欠如」を指摘しているが、なかなかに慧眼であったということになる。新進作家としてのエネルギーが横溢していたという点では評価できるだろう。また、「拳闘」という言葉は、いかにも古めかしくて可笑しくもある。

2013/10/31

absinthe

金持ちのボンボンによる社会への反抗。最近の作品と違い、反抗する青年にも反抗される社会にも今とは異なりエネルギーがあった。欲しいのはこういうもんじゃない!という若さ溢れるパワーと身勝手さ。どうしようもない孤独感とやり場のない鬱憤。表題作も凄いが『灰色の教室』も凄かった。人物が貧乏人だったらしみったれた口にしかならないのだが。ハイデガーのいう「真に生きる者にとって必要不可欠の事、それは死と断固対決すること」を地で行くような。『処刑の部屋』もはや犯罪小説。

2021/06/10

ehirano1

斎藤孝氏が自身の著書で「最近の若者に太陽の季節(本書)を読ませると、とても嫌な顔をする・・・文学の・・・」という旨の言及が気になって手に取りました。私は若者ではないのですが今の若者と同じアクションでした、つまり本書はムナクソ。一方で、本書は未だに「文学なのか文学ではないのか」の議論が続けられているそうで、研究材料としてはうってつけ、つまり研究者用ではないかと思いました。

2024/05/03

hit4papa

50年代の作品集ですが、会話文以外古びていません。裕福な学生たちの無軌道な青春もの三作、ヨットにまつわる二作は、読みながら気持ちがざわめき、ささくれ立ちました。有名なタイトル作は、ボクシングに熱中する高校生が主人公。手練手管で振り向かせた女性に、飽きたら酷い扱いをする様がつづられます。衝撃的なラストを含め毒々さが後を引きます。他、自殺を繰り返す同級生への憧憬と侮蔑「灰色の教室」、リンチを受けている現場に舞い込んできた捨てた女「処刑の部屋」、ヨットに魅入られた少年が手にしたものは「ヨットと少年」等【芥川賞】

2022/06/06

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