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完全な遊戯 (新潮文庫 い 11-11)

完全な遊戯 (新潮文庫 い 11-11)

完全な遊戯 (新潮文庫 い 11-11)

作家
石原慎太郎
出版社
新潮社
発売日
2003-08-01
ISBN
9784101119113
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完全な遊戯 (新潮文庫 い 11-11) / 感想・レビュー

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のっち♬

表題作は反道徳性を極限まで押し進めた一方で、リズミカルな場面の流れと抽象的で澄んだ表現が一つの結実を見せた創作の到達点。このあらゆる読み手を思いっきり篩に掛けた作風の根底には、著者の並ならぬ自信が現れているように思う。狂女が見せる僅かな感情の揺れを除いて人間らしい関係は微塵もない、この「完全」を求める途方もない空虚感にはそれが決して満たされずに欲望だけが独り歩きする荒廃した社会の行く末を重ねるかのよう。『狂った果実』など、他の収録編にも共通した要素を感じる。彼は挑戦の手法に至るまで前衛的な人だったと思う。

2018/03/26

Kajitt22

10代後半、この『乾いた花』にのめり込んだことがあった。ペシミスティックな男と女、ひりつくような賭場の描写。アラン・ドロンのフィルムノワール『サムライ』同様打ちのめされた。あれから麻雀や競馬をやり、一時運の流れが掴めたと思ったこともあったが、やがて負けがこんで博才のなさを悟り、いまはうっちゃっている。数十年ぶりの再読だが、著者20代でこの短編を書くとは。政治の世界に足を踏み入れなければもっと素晴らしい作品を残していたかもしれない。追悼。

2022/06/24

くろまによん

やたら頁がスカスカな印象。プロットを進める文章が続いている。あんまり心情を描写しないで、読者の想像の幅を広くさせるためか。ストーリーとしてやってること自体はもう時代の流れに耐えられなくなって陳腐だけれども、仕組みというか、書き方自体は面白いなぁと思う。

2014/07/28

そうたそ

★★★☆☆ 慎太郎氏の初期の作品における「エロ率」「ボクシング率」「ヨット率」高すぎ(笑)表題作は至る所で酷評されているが、個人的にはそれほど悪くないと感じた。所々に若気の至り的なものを感じるが、タイトルを見ていただければわかるが「完全な」遊戯なのである。秩序も規制もない状態で起こされる悲劇とは何たるや。様々なものが排除された結果としてのラストはあまりに無味乾燥に感じられた。作中の事件そのものが倫理的にどうかということは別として。「鱶女」はまた変な作品書いたな、と思いながら読んだが割と面白い。

2013/02/21

ふがし

初めて石原慎太郎の作品を読んだ。時代や当時の風潮を抜きにしては評価できないのでは、と思った。

2010/11/13

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