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火の島 (新潮文庫 に 2-8)

火の島 (新潮文庫 に 2-8)

火の島 (新潮文庫 に 2-8)

作家
新田次郎
出版社
新潮社
発売日
1976-05-01
ISBN
9784101122083
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火の島 (新潮文庫 に 2-8) / 感想・レビュー

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大阪魂

「孤島」に続いて伊豆諸島最南の火山島・鳥島が舞台の表題作と、むちゃくちゃこだわりある技術者を主人公にした「毛髪湿度計」「ガラスと水銀」の中短編集。「孤島」が昭和26年頃観測所できたすぐ後の話やったのが「火の島」は昭和40年に噴火全滅の危機に瀕した観測所の人たちを描くお話。明治35年には噴火で百人以上の島民が全滅したって歴史あるから所員の不安も半端ない…でも東京の本庁は噴火関係ないって指示…こんな中で洲羽さん、房野さんみたいな行動とれるんすごい思う…ちなみに日本最東は南鳥島、南端は沖ノ鳥島、島の勉強なった!

2021/09/12

まーみーよー

紙やけ激しい図書館本にて読了。絶海の孤島、鳥島が舞台の表題作。吉村昭「漂流」(江戸時代)、新田次郎「孤島」(昭和26年頃)よりも後の昭和40年の鳥島である。11月に始まった火山性地震によって、鳥島気象観測所が閉鎖されるまでを描く。定期船もなく、その地形から港に船も接岸できない活火山島での半年間の気象観測は隊員にとってかなり辛い生活だ。閉塞感が常に漂う中、科学者故に火山の予兆があっても単なる不安だけでは撤退を口に出せない。その中で地震が頻発するが中央からの答えは日和見で、観測隊員の恐怖は最大になる。力作。

2020/01/09

さっと

長編の表題作と短編2つからなる作品集。共通するのはある種の"狂気"。台風観測の前線基地であり絶海の孤島かつ活火山の島・鳥島の観測所職員を襲う噴火の恐怖。かつて島民を全滅させた明治噴火のときと同じ水死体の漂着、兆候と見られる群発地震、危機感を共有できない組織や立場上の軋轢による個々人の心理、行動描写が息詰まる「火の島」。戦時中、素材に不向きな日本人の黒髪にとりつかれていく研究者に絡む女たちとラストが衝撃の「毛髪湿度計」。職人気質にミステリ要素を取り入れた「ガラスと水銀」ではストーリーテラーぶりを堪能した。

2021/10/06

フーミン

”寝食を忘れるほど探求に没頭する”ことはあっても、なかなか”死と引きかえにして探求する”なんてことはできないこと。本書は、そのできないことをやった人たちのお話でした。

2015/08/19

ろい

一貫したテーマは「科学」と「恐怖」からの「狂気」。 どの作品もものすごく面白かった。 火の島の会話文なんて、どうも硬い感じもするんだけど、そんな枝葉末節がどうでも良くなるほどの恐怖がロジカルにゴリゴリと迫ってくる。 科学と観察を積み上げることが小説に於いても力を持つことを認識させてくれる名作。

2014/02/07

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