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王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫)

王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫)

王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫)

作家
遠藤周作
出版社
新潮社
発売日
1985-03-27
ISBN
9784101123226
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王妃マリーアントワネット(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

遠藤はマリー・アントワネットをフランス革命に翻弄された悲劇の王妃としては描かなかった。一応は史実を踏まえながらも、そこに想像力を傾けて浮かび上がらせたのは、あくまでも旧体制の王妃として、革命を受け入れない、ある意味ではきわめて強固な意志を持った1人の女性像であった。 最後の王妃として断頭台に消えてゆくシーンはなかなかに迫真力もあり、またその毅然とした態度は感動的でさえある。換言すれば、作家遠藤は ここでフランス革命が成しことの意味をあらためて問い直そうとしたのだろう。自らの煩悶を抱えながら。

2018/05/03

ちょろこ

悲劇の時間へ…の一冊。上巻から息つく間もないぐらいに彼女のあの悲劇の瞬間までが刻一刻と綴られ刻まれていく。財政破綻からの群衆の苦しみ。その憎悪の吐け口を探し、革命という名の狂気にしか見えない残虐な行為に時代とはいえ人間の怖さを感じた。断頭台に上がるまで、彼女の心を嘘偽りなく全て晒されるかのような見事な描写は圧巻。最後まで国王と国王妃だった証ともいうべき、美と優雅という鎧を纏い階段を上がる姿、この世での最後の言葉まで息を呑むほど。喚声と拍手から一転、静寂に包まれた広場。それは彼女の人生そのもの。

2022/10/12

優希

フランス革命により、過去となったヴェルサイユの栄光。マリー・アントワネットも輝かしい日々から、財産を失い、裁判への日々へと歩むことになります。しかし、過酷な運命にあっても愛と優雅さを失わないのが凄いと思わされます。悲劇の王妃でありながら、強さをも感じさせられました。

2018/08/10

あつひめ

マリー・アントワネットは、孤独という国に嫁いでしまった。革命が…残虐行為にしか見えないのは、私の考えが甘ちゃんなのだろうが。国を変えるために立ち上がるのは、勇気のいること。そうしないと生きられない…そのための改革。気品を持って、優雅に美しく…それだけが心の支えのマリー・アントワネット。国民の現状に耳を傾けるなんて、誰も教えてくれなかった…。それがマリー・アントワネットの不幸だったのだと思う。まるでドラマのようなフランス革命。でも、それが事実。あれが、国民みなの願いだったのだと…。

2014/12/08

財布にジャック

あ~、ドラマチックだなぁ!遠藤さんの手にかかると、こんなにも遠い国の遠い過去の物語が、まるで目の前に繰り広げられているかのようにありありと浮かび上がってくるので、スラスラと読むことが出来ました。フェルセンの頑張りも虚しく、断頭台へと続くこの悲しい歴史の1ページを胸に、もうすぐベルサイユ宮殿へ行ける幸せを噛み締めています。現地では是非とも王妃の幸せだった日々を偲びたいと思います。

2014/04/06

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