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十一の色硝子 (新潮文庫 え 1-27)

十一の色硝子 (新潮文庫 え 1-27)

十一の色硝子 (新潮文庫 え 1-27)

作家
遠藤周作
出版社
新潮社
発売日
1988-05-01
ISBN
9784101123271
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十一の色硝子 (新潮文庫 え 1-27) / 感想・レビュー

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501

いかにも50歳を超え人生経験を積み重ねた作家の、とても味わい深い11の短編集。この本のように、人間の等身大の姿が描かれていると感じる作品は人間とはどういう生き物なのかがわかりおもしろい。

2022/06/05

松風

戦争と信仰という遠藤周作のエッセンスを散りばめた短編集。ペシミズムの猫背に潜む〈傲慢〉がえぐり出された瞬間をとらえる。

2014/08/29

ぼぶたろう

短編集。ホロコーストをテーマにしたもの以外は創作というよりエッセイに近く、作者のバックグラウンドを垣間見ることができる。 自分の中の差別感情や、信仰心の不信を嫌悪しながらも失くしきれない、そんな葛藤を抱いていたのだろうか。沈黙には、そのエッセンスが効いているような気がする。

2018/07/20

桜もち 太郎

昭和50年代前半の作品。キリスト教信仰が色濃い作品が多い。「代弁人」は作者が翻訳もしている「テレーズデスケイルゥ」を読むような感じがした。「聖母賛歌」で48歳の主人公が思う「人間には直そうとしても直らぬ性格や弱さがあるし、その性格や弱さは時としてその人間の運命さえ作ることもある」、自身と照らし合わせて読んでしまった。さすが遠藤周作。短編も素晴らしい。

2016/12/28

ken

傑作とは言い難い作品が、その分彼のエッセンスがじわじわ滲み出た味わい深い十一の短編集。ホロコーストの悲劇、黒人に対する差別感情、母と兄と飼い犬の死、自身の闘病経験、信仰に挫折した神父など様々な人間模様が描かれる。それぞれがそれぞれのモチーフを持っているわけだが、敢えて共通項を見ようとするならやはり「人間の悲しみ」なのだろう。『人間は人生のある時期、皆、同じような悲しみや苦しみを味わうのだと私もこの年になってやっとわかってきた』(「幼なじみたち」より)人間は悲しみとともに生きていかなければならない。

2017/10/01

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