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悲の器 (新潮文庫 た 13-1)

悲の器 (新潮文庫 た 13-1)

悲の器 (新潮文庫 た 13-1)

作家
高橋和巳
出版社
新潮社
発売日
1967-08-01
ISBN
9784101124018
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悲の器 (新潮文庫 た 13-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

高橋和巳は今は読む人が少なくなっただろうが、かつて全共闘世代に圧倒的な共感を得、支持されていた。私自身はその世代よりは後なのだが、やはり私たちが高校生の頃、よく読まれていた。私もその時以来再読したのだが、なんとも濃密な感情と思惟がそこにあったことに改めて驚く。これは高橋が京都大学を辞め、最初に世に問うた小説だが、ここにはその後の高橋の全てが既に内包されていたかのように思う。主人公を東大教授であり、刑法学の権威としたことが小説としての最大の成功要因だろう。何故ならそれは「法の持つ現状是認性」を拠り所と⇒

2022/03/19

遥かなる想い

高橋和巳は、学生時代友達の「高橋和巳も読んでいないのか」のひと言で 読みはじめた。本作は高橋和己のデビュー作で、主人公の大学教授の 正木典膳は典型的なエリートであり、高橋和己の小説には必ず出てくるパターンである。大学教授の令嬢栗谷清子との婚約を発表するが、妊娠させられた家政婦の米山みきに訴えられて…という2時間ドラマのパターンだが、文体は重く暗い。必要以上に 「知識人」というものを意識しすぎだと思うが 当時の学生(1962年作品)たちには必読の書物だったようだ。1962年、第1回文藝賞に輝いたデビュー作

2010/06/26

背番号10@せばてん。

【1962_文藝賞】1996年4月23日読了。あらすじは忘却の彼方。

1996/04/23

yamahiko

女性に対する差別的な表現等により評価が真っ二つに割れる小説ですが、決して古くなることがない社会と人間をめぐる重層的なテーマ設定、重厚で純粋、圧倒される文体、本当に面白い作品でした。

2017/01/10

無識者

「学問」の領域で地位を築くも、「学問」以外のことでその地位を失ってしまう。学問を突き詰めて地位を築けるかどうかというのも、それ以外の要因を多く含む。その時代の政治情勢によったパージされたりしてしまう。私にとっての学問は趣味の領域をでず、職人的な...というのは無理。院進のハードルが更に高くなってしまった。

2016/08/09

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