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海辺の光景 (新潮文庫)

海辺の光景 (新潮文庫)

海辺の光景 (新潮文庫)

作家
安岡章太郎
出版社
新潮社
発売日
2000-08-01
ISBN
9784101130019
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海辺の光景 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

生活と時代の矛盾と皮肉、悲哀をはっきりとあらわしている。困窮のなかで認知症のようになり衰弱していく主人公の母の姿が凄絶である。課題のため読んだが、もうちょっと私が若ければもっと衝撃を受けていただろう。人間の装飾を取り除くとこういう姿になるということの、意味。

2017/07/15

ω

非常に私好みω 精神を病んだ母を病院(といえる代物ではない)にぶち込む描写から始まり、一年後。藁布団に寝かされ高熱で昏睡している母を看護人が瞼を指で見開かせ両腕をぶんぶん振る…👁胸がギューとなる究極の私小説。。

2021/11/28

やいっち

昨日からの広島行きに持参。移動の列車中で読了。「海辺」は「うみべ」じゃなく、「かいへん」と読ませる。その理由が書いてない。気になる!この作品で芥川賞かと思っていたけど、違っていた。母(奥さん)の狂気など、何処か、島尾の「死の棘」と通じるところもあったような。 幾つか短編も本書に載っている。安岡文学が、ある種の不条理性の傾向を持っているなんて、意外だった。昔、日本酒のCMでの飄々とした表情からは想像も及ばない文学。母の狂気の淵源を辿る意味でも、「流離譚」や「鏡川」という大作に至る理由が分かった気がする。

2016/08/06

若布酒まちゃひこ/びんた

私小説的な感じで語り手のなかの時間をさまよう表題作は、終盤にあらわれる家族外部の生暖かい眼差しへの嫌悪に迫力を感じた。個人的には「宿題」が好き。

2016/03/07

KEI

作者自身の家族をモデルとした登場人物による短編集。表題作は母親の死までを海辺にある精神病院を舞台に綴った作品。静謐な中、家族を客観的に眺める主人公視点で物語がすすんでいく。特別なにかあるわけではないが、読み進めてしまったのでやはり筆力があるんだろなと思う。主人公の父親がボロクソ書かれていて、子供からこのように書かれるのは父親として辛いだろうなと感じました。

2023/10/06

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