鏡川 (新潮文庫)
鏡川 (新潮文庫) / 感想・レビュー
momogaga
文学史では何度も目にしていたが、小説は初めて。土佐が舞台の私小説。血脈をテーマにしたものは久しぶり。もっと著者の事を知りたくなった1冊になりました。
2018/08/05
fseigojp
明治の漢詩人の鬱屈が飄々と描写され 一族へのオマージュとなっている
2015/10/11
さきん
土佐藩の人脈が浮き上がってきた。自分の母方の先祖も土佐の郷士であるから興味深く読んだ。明治時代になって土佐で武士としての俸給なしに自活するのは非常に難しいことが良く分かった。
2017/03/04
S.Mori
『鏡川』は作者の母方の祖先のことを描いた小説です。高知県知事の丸岡莞爾と漢詩西山麓人のことが書かれています。『鏡川』という題名がこの小説の主題をうまく表現しています。人の人生を川面に映しだす川の流れはとどまることなく海へ流れていきます。西山麓人は定職につかず、貧乏なまま死んでいきました。そんな人生でも川と同じように始まりがあり、終わりがあります。ユーモアとペーソスが感じられる西山の描き方は、作者の他の作品に通じるものがあります。だめな人生であっても海へたどり着ける。海は命の源なので、ここに救いがあります。
2020/02/26
やいっち
数年前、自宅にあった『流離譚』 を再読して改めて感銘を受け、その続編(姉妹編)があると知り、何とか読みたいと念願していた本。これはこれで悪くはなかったが、『流離譚』ほどの重厚感がなかった。それにしても、自分がそんな若いころに、『流離譚』のような読み応えのある、当時としては安くはない本を蔵書に加えていたとは、自分を見直したくなるような……なんて。
2016/11/04
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