どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)
どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫) / 感想・レビュー
Gotoran
『どくとるマンボウ航海記』に続き、”どくとるマンボウ”シリーズ第2弾の本書を読んでみた。虫好きの北杜夫氏の虫についてのエッセイ集。虫の生態、虫と人、時と所を縦横にして、随所に著者独特のユーモアが散りばめられている。虫の話をしていたはずにも拘らず脇道に逸れることがしばしばではあるが、軽妙な語り口でのユーモア溢れる話を面白・可笑しく読むことができた。
2021/09/17
クプクプ
私は昆虫の標本を作ったことがある、虫屋です。この本も少年時代の愛読書です。久しぶりに読んだら、ある二人のカミキリムシマニアのやりとりが気に入りました。カミキリムシマニアの一人が珍しいカミキリムシを採集し、もう一人に自慢します。もう一人は何とかしてカミキリムシを交換してその珍しいカミキリムシを手に入れようとします。しかし、 カミキリムシマニアはそれに応じません。そして一時的に絶交するのですが、しばらくすると、「あなたのいない世界はつまらないです」「こちらこそ」と仲直りします。虫を通して人間を描いた良著です。
2018/03/01
北風
医者になる前は昆虫学者になるつもりだった北杜夫だけに、昆虫に対する並々ならぬ愛をヒシヒシと感じるエッセイです。好きな人が書いた愛情あふれるエッセイは読んでて清々しいですね。虫嫌いの僕でも楽しく読めました。
2015/01/05
ツバメマン★こち亀読破中
昆虫好きの著者による昆虫愛溢れるエッセイ集…といってしまえばその通りなのですが、とにかく文章が凄く上手いです!(←僕が言うのも何ですが…w)軽妙洒脱とはこのこと!(←僕が言うのも何ですが…ww)
2014/11/08
蛇の婿
昆虫の研究というのは特定の虫以外はあまりお金にならないので、それゆえに世界中に虫好きな人が存在するにもかかわらず、その生態の多くは謎に包まれているそうです。私もあまり昆虫には詳しいとはいえず、見たこともない、なんか毒でも持っていそうな変な虫が何かの拍子に会社の机を這いずっているのを見かけたりすると、まず悲鳴を上げて飛び退り、悪鬼の形相で殺虫剤と丸めた反故紙の束を持って世界からその虫の存在を消し去るべく闘いを開始するのですが、当然ですが虫にしてみればそれは悪意から私の前に現れたわけでは無いのですよねぇ…
2012/09/28
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