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楡家の人びと 上 (新潮文庫 き 4-6)

楡家の人びと 上 (新潮文庫 き 4-6)

楡家の人びと 上 (新潮文庫 き 4-6)

作家
北杜夫
出版社
新潮社
発売日
1994-02-25
ISBN
9784101131061
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ジャンル

楡家の人びと 上 (新潮文庫 き 4-6) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

加賀乙彦の『永遠の都』を読んで以来、やはり大河小説が読みたい、と思って、読了.三島由紀夫が絶賛したこの小説をまだ読んでいない気がして読んでみて、やはり引き込まれることになった。時代背景、3代にわたる楡一族の風景など、『永遠の都』とよく似ているが、ややタッチが軽いのは 「どくとるマンボウ」 の影響なのだろうか? 楡ひさ -- 龍子 -- 藍子と流れる 女系のかたくなな描写は,楡病院を 一代で築いた基一郎の奔放さと対比を なして、際立った緊張感を与えている。

ヴェネツィア

北杜夫追悼。 10月に亡くなった北杜夫を偲んで。 珍しい小説作法である。 この小説の主人公はしいていえば、三島由紀夫が「大いなる俗物」と呼んだ初代当主の楡基一郎だろうが、それ以外の人物(例えば長女の龍子)も等価に描かれており、また作中には視点人物もいないために、読者にとって感情移入がきわめて困難である。いや、むしろそうした感情移入を阻むことにこそこの作品の方法があったのだろう。 すべてが客体化されているのだ。

2011/12/24

ソーダポップ

上巻読了。大正時代から昭和時代の大戦を経て、戦後の混乱期までの、楡基一郎の築いた大病院に集う物語。基一郎はドイツに留学したこともある成功者。衆院議員にもなる。子供っぽいところもある、偉大なる俗物。その誇張された言動はユーモアがあり憎めません。下巻も楽しみ。

2021/12/22

AICHAN

図書館本。北杜夫(斎藤宗吉)の父(精神科医で歌人の斎藤茂吉)が院長を務めた青山脳病院(作中では楡脳病科脳病院)とそこに関わる人々をモデルにした明治から昭和初期にかけての物語。諧謔や皮肉が感じられる文体で、人間臭い登場人物たちの内面と戦争へと傾斜していく時代背景をうまく描いている。三島由紀夫が「戦後に書かれたもっとも重要な小説の一つである。この小説の出現によって、日本文学は、真に市民的な作品をはじめて持ち、小説というものの正統性を証明するのは、その市民性に他ならないことを学んだといえる」と絶賛した作品。

2017/05/13

山口透析鉄

北杜夫氏の文庫本も大半、読んでいます。個人的には「幽霊」が一番好き(最初の長編)ですが、やはり代表作といえばこれでしょうね。 北杜夫氏の祖父の代からの一族記で、三島由紀夫氏の解説がぴったりでしたね。 先日、朝日新聞夕刊の連載「時代の栞」にもこの作品が取り上げられていました。記事本文: https://www.asahi.com/articles/DA3S15569631.html

1985/07/27

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