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楡家の人びと 下 (新潮文庫 き 4-7)

楡家の人びと 下 (新潮文庫 き 4-7)

楡家の人びと 下 (新潮文庫 き 4-7)

作家
北杜夫
出版社
新潮社
発売日
1995-01-20
ISBN
9784101131078
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ジャンル

楡家の人びと 下 (新潮文庫 き 4-7) / 感想・レビュー

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ソーダポップ

「楡家の人びと」上下巻読了しました。この作品はあまりにも長すぎるはしないだろうか。しかし、私は読了し本当に心の底から感動した。長いということが、その感動を生み出す重要な要素である作品があるとしたら、まさしくこれこそその一つであると思った。文庫本で字も小さく1000頁にも迫ろうかというスケールではあったが、それは長いということを感じさせないことであり、永遠に終わってほしくないと思う作品でもあったのです。今後、「楡家の人びと」という作品を読んで、読み終わった人がいたなら同意して頂けると作品だと思いました。

2022/01/03

AICHAN

図書館本。ページ内にぎっしりと活字が並び一見読みにくそうな作品だが、軽妙洒脱な筆致と物語の面白さにより、ついついずーっと読んでしまう作品。大きな精神病院の栄華と盛衰、そこで働く人々、家族たちの栄華と盛衰が丹念に描かれる。「伊良部先生シリーズ」とは別の味わいで読みやすい。NHKの朝の連続ドラマにしたらどうかと思った。例えば、楡脳病科脳病院の設立者・基一郎には竹中直人、その長女の夫・徹吉(斎藤茂吉)には西島秀俊、徹吉の長男・峻一(斎藤茂太)と周二(著者)には、子役の…、うーん、誰がいいかなあ。

2017/05/18

ヴェネツィア

日本全体が戦争に突き進んで行き、楡家の人々もまたそれぞれに否応なく戦争に巻き込まれて行く。 上巻でもそうであったが、この下巻でも登場人物は客体的に描かれ、突き放されている。そして、みんながみんなそれぞれに孤独だ。楡家という家族はとうとう像を結ばない。

2011/12/28

山口透析鉄

北杜夫さんの実父・斎藤茂吉さんをモデルにした徹吉さんの執筆エピソードや脳出血で倒れ、医師として自分で診断する話とかも印象に強く……普通に生活している人たちの小説がそのまま面白くて良いので、これも再読したいんですがしていません。ブラジル移民の話とかになると、ああ北杜夫さんもちょっと……となってしまいましたが、これはそうではありませんからね。

1985/07/30

くろすけ

ある精神病院の隆盛から没落、復興、そして消滅までを三代に渡って物語る。例外なく人格に何らかの過剰な部分を持ち合わせ、一癖も二癖もある人々が、震災や戦争という大きな時代の流れに否応なく呑み込まれながら演じるそれぞれの悲喜劇に引き込まれて、なかなか途中で本を置けない。実際に身近に居たら辟易するであろう登場人物たちが何故か愛すべき人々に感じられる。懐かしい匂いのする長閑な古き良き日本の市井の生活から空母「瑞鶴」における息を呑む戦闘場面まで、まるで大作映画のように脳裏に映像が繰り広げられる。圧巻の大河小説。

2013/11/03

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