海暗 (新潮文庫 あ 5-7)
海暗 (新潮文庫 あ 5-7) / 感想・レビュー
ソーダポップ
作品の舞台は、伊豆七島の一つである御蔵島という離島である。ヒロインはオオヨン婆(もちろん本名ではなく通称)と呼ばれる老婆。御蔵島がアメリカ軍の射爆場の候補に挙がった事を中心に物語は進められていく。安保闘争華やかだった当時の時事問題と離島問題をミックスさせていて、読者を飽きさせない作りになっている。バイタリティ溢れるオオヨン婆の描写や島の人々の生活などがコミカルに描かれていて、島が抱えている問題の重さを感じないほどサクサクと面白く読み進める事ができる。逞しくしたたかに、それでいてお茶目な婆さんに拍手をしたい
2024/11/14
ろこぽん
会話が面白すぎる。オオヨン婆は古き良き日本の姿、日本の心だなー。時子の気持ちもわかるけど、オオヨン婆には逆らえないな。 でも私もこの時代に、御蔵島に住めと言われたらかなり躊躇するだろうし、観光で御蔵島に行くとトラックや道路、水道などの文化的なことより、籠を担ぐ姿を見て喜んでしまうんだろうな。
2021/08/18
コロチャイ
久しぶりに文庫本を整理していたら、ひょんな所からこの本が現れた。40年前従兄弟から借りた本の一冊だった。伊豆の離島を舞台としたストーリーで、強烈な印象のオオヨン婆さん。読むにつれこれまさしくゴットマザーである。親族集合体の中での生活様式、これも淡々と生きている。根本は自然主義だか、問題が起きればオオヨン婆さんは政治力を発揮している。痛快そのものである。また度々出てくる「しゃらくせい❗️俺は嘘と坊主の髪は、結ったことはねえ」ませに直言の人だと思った。
2021/06/27
豆
限界集落ならぬ、限界島に暮らす最年長オオヨン婆の奮闘記。 若い村長や、本島から赴任してきている校長、娘のオタネン婆など魅力的なキャラクターがいっぱいで、会話のテンポが心地いい。 周りの者からすると「古い考え方」「時代が違う」のだろうけど、オカシイことはオカシイと相手が誰であろうとズバズバ言うのは痛快でした。
2022/09/04
ねむ
御蔵島に言った後に読みました。人間たちが生き生きとしている様子が、とてもいいです。中でもオオヨンバア。
2016/09/10
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