三婆 (新潮文庫 あ 5-11)
三婆 (新潮文庫 あ 5-11) / 感想・レビュー
アメヲトコ
昭和36年刊の短編集。高利貸亡き後の本妻と妾、妹の三人の婆さんがいがみ合う表題作は老醜の凄まじさを書きつつもどこか喜劇的なところもあって印象的。これを30歳で書いたとは。「役者廃業」「王台」もなかなかに怖い。
2019/03/08
みーあ
短編集。標題の「三婆」は、老婆の嫉妬や猜疑など汚い感情ばかりでうんざりした。それ以外も、すっきりするところがなかった。「亀遊の死」の『志のある男が、おんなにはむごいものだということほずいぶん見てきて知っています。天下国家ばかりでなく、一人の男なら何か大きな生きる目印があるもので、それのない男ほど女に溺れこみます』という件が響いた。男に限らず、生きる目印がないと、うすっぺらな人生になり下がってしまう。子どもや周りの人の生きる目印を作る援助をする。それが私の生きる目印。
2018/01/14
ろこぽん
後家となった松子が妾と小姑と一緒に暮らす話、すごい設定。皆がお互いをボロくそに言うんだけど、最後はみんなおんなじ感じになって笑ってしまった。これが年老いたオンナの最後の理想の形なのかも!?長生きしそう。
2020/12/18
アヴィ
女の情念を描く短編集。宝石に魅入られる女、女王蜂のように生き、周りを振り回しているようで、振り回されて生きている女。そんな女たちも老いに収斂されていく様を、戦後の住宅難を背景に本妻愛人小姑が、夫の残した土地に建つ茶室のような小さな小屋で暮らす表題作。小さいとはいえ、都内一等地に茶室が7,8軒建ちそれが微妙な距離感にあるという設定は、戦前の金融業者ってどれだけ金満だったのか想像もつかない。
2024/09/10
お気楽になりたいお気楽さん
「役者廃業」、女性の視点☆☆
2006/02/04
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