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芝桜 (下) (新潮文庫)

芝桜 (下) (新潮文庫)

芝桜 (下) (新潮文庫)

作家
有吉佐和子
出版社
新潮社
発売日
1979-10-25
ISBN
9784101132143
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芝桜 (下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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小梅

ここで終わるのかぁ〜と余韻に浸る。雛妓の頃から対照的な2人の美しい女性の物語。読了してみると、冒頭の金魚すくいのシーンが効いている。蔦代のしぶとさ、頭の回転の速さに呆れたり感心したり。ただ蔦代は正子を好きだったのは事実だろう。全編を通して着物と着付けや髪の結い方の描写が凄い。再現した舞台を観る機会があればなぁ〜鶴弥から貰った芝垣の地紋が浮き出た紋ちりめんに金色の小菊が飛んでいる、正子が黒に染めて仕立てた漆の着物が見てみたい!

2018/04/26

カーミン

雛妓(おしゃく)の頃から一緒だった正子と蔦代。正子は堅気の宿屋を開き、蔦代は待合(まちあい)の女将となる。曲がったことや嘘が嫌いな正子は、嘘を本当だと言いくるめる蔦代に我慢できずに何度も絶好を言いわたすのだが、それでも蔦代は正子につきまとい、離れない。上巻ほどの豪華さはないものの、大正から終戦の時代を駆け抜ける美貌の女性二人の物語に惹きこまれていきます。

2018/01/19

ヨーイチ

上巻に比べ下巻は分量も質も異なっている。初読時は下巻(昭和に入り軍部の台頭、テロ、空襲などで主人公の周辺が慌ただしくなる)になって面白くなったきたと云う印象があったが、今回は閉じては居るが江戸に通じる花柳界を丹念に「女の目」から活写している上巻が印象深い。有吉佐和子しか描けない物があったって事なのだろう。上巻で正子が初潮でしたしくじりを䔍代が庇ってあげる逸話が印象に残る。「不見転」と呼んで芸者の格を維持してきた花柳界を䔍代が個人主義、資本主義を体現して破壊していく物語って側面も見える。続く

2017/04/24

ソーダポップ

下巻読了。作者の有吉佐和子さんは、花柳界にも精通していたようで、きっと芸者さんの生の声エピソードを反映させながら描いていたのだと思う。現在の人達には想像できないけど、描写がリアル分だけ貧しい家庭から売られてきた少女達が芸者になるという文化があったのだと再認識する。芸を磨き、教養を磨いて、パトロンを見つけて稼いで借金を返す。芝桜という作品は、可笑しみもあるけど、どんなに成功しても芸者の人生はパトロンで左右され、華やかな一方で、影のような哀しさがつきまとう、そんな悲哀も描かれた作品でした。

2022/06/12

kumako

上巻の終わり方から、正子と蔦代のどちらが地位を上げられるかの戦いが始まると予想し、勝手に興奮しながら下巻を読み進めましたが、正子は蔦代をライバル視していないし、蔦代が正子を慕う態度も変わらずで拍子抜けしました。蔦代の正子への態度は同性愛でも束縛でもなし、どう理解したらいいのか解りませんでした。でも正子にそっくりらしい弥千代を養女にするというのはちょっぴりホラーですね。続編はもっと驚きがあるんでしょうか。

2021/09/02

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