総会屋錦城 (新潮文庫)
総会屋錦城 (新潮文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
第40回(1958年)直木賞。 経済小説のパイオニアと言われる 城山三郎の出世作である。 大洋銀行をめぐる錦城と 扇山一派の つばぜり合いが面白い。 株主総会に関わる 総会屋の動きが、 生き生きと読者に伝わる… 総会屋として 生きた老人 錦城の人生の 凄まじさ、哀しみが、骨太に描かれている、 そんな作品だった。
2017/09/17
じいじ
1958年(昭和33)の直木賞作品。〇十年ぶりに読み返してみた。大企業の裏方「総会屋」を主人公に描いた痛快経済小説だが、まったく旧さを感じることもなくて面白い。企業の帳簿に載らない「裏カネ」を食い物に生きる男たち、“企業のダニ“とも揶揄される総会屋のダーティ・イメージを払拭してくれる物語です。気骨あるご老体の人間味に、スカッと気分爽快にさせていただきました。読み終えて、このような主人公の下でチカラいっぱい働いてみたいものだ。
2021/07/09
おいしゃん
【直木賞作品】氏の作品は「打たれ強く生きる」に続き、2冊目。7編の社会派小説は、扱っているモノや出来事は古くても、どれもテーマは今に通ずるものばかり。50年前に書かれたとは思えないほど瑞々しく、読みやすい。印象に残ったのは、交通事故の時だけ重役の身代わりになり、見舞いや弔問にゆく50代のタクシー会社員を描いた「事故専務」か。
2015/08/23
hit4papa
経済小説の開祖(?)の手による短編集です。著者の作品は、読まず嫌いだったのですが、世の中事が多少分かるようになったからか愉しめました。総会屋の最期の大一番を描いたタイトル作は、男の生き様としてしびれます。サルベージを生業にする男たち「浮上」、会社を追われた御曹司の復権「社長室」、新聞社航空部長の野心「プロペラ機・着陸待て」他、舞台となる業種・業態がバリエーション豊かな作品集です。逆境にさらされながら奮闘する人々の姿が印象に残ります。半沢直樹のようにスカっといかない分現実的ではありますね。【直木賞】
2018/04/26
たんかれ~
短編集。昭和中期、随所にまだ敗戦の空気が残り、皆がむしゃらに働いた時代。「社長室」が一番面白かった。
2017/06/26
感想・レビューをもっと見る