役員室午後三時 (新潮文庫)
役員室午後三時 (新潮文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
私が敬愛する経営者、社員に対する真摯な姿勢と孤独とも言える我慢強さにいつも学びを得ています。その方が城山先生の作品の愛読者とのことで本書初読。いわゆる経済小説、企業内栄枯盛衰の物語。私が生まれる前の作品であり、日本の高度成長期のとある大企業の専制君主と腹心である次世代若手実力者が、全く同じベクトル『会社の為に』のもと繰り広げる知的な戦!古くない❗面白い‼️『攻める経営者』『君臨する経営者』『耐える経営者』そして『行動する経営者』経営者いかんで会社と社員の運命が決まるのは必定。まさに運命共同体なのだ‼️🙇
2018/11/25
i-miya
2014.02.19(02/05)(再読)城山三郎著。 02/18 (P006)藤堂4.5歳のこと、父が社長をしているこの工場を訪れた。 帰り、父のフォードで送ってもらったが、その車の前へ、そして屋根へ銀杏の実が、降ってきた。 従業員たちが実を拾っていた。 自分も拾ってみたい。 社長の御坊ちゃまだ。 藤堂の帽子、たちまちあふれた。 従業員は家族だ。
2014/02/19
i-miya
2014.01.05(01/05)(再読)城山三郎著。 (解説=尾崎秀樹) 城山三郎の経済小説は、定評がある。 経済界の人間像にまで目が届く。 人物は、あくまでもはっきりした性格をもっており、行動する。 『役員室午後三時』は、華王紡績-繊維の名門-ワンマン社長藤堂が腹心だった部下にその椅子を追われる経過を描いたもの。 企画室長、矢吹。
2014/01/05
ともくん
大企業の社長の苦悩、孤独、焦慮、葛藤。 そして、王者の風格、余裕。 派閥抗争。 若手の追い上げ。 目まぐるしくかわる形勢。 スリリングかつ、アグレッシブ。 本格的経済小説。
2018/08/02
まつうら
本作のモデルとなっている鐘紡は紡績会社だが、自分にとってはカネボウ化粧品のイメージが強い。将来、化粧品部門が花王に救済されることは著者も予想していなかったと思われるが、鐘紡を「華王紡」としたところは運命のいたずらだろうか? 作中の矢吹は、ワンマン社長藤堂から会社を救うアツい男として描かれている。矢吹のモデルとなっている伊藤淳二は本作のほか、「沈まぬ太陽」の国見会長、「ハゲタカⅡ」の岩田名誉顧問として登場する。これらを並べてみると、戦後のスター経営者の半生を見るようで、とても興味深い。
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