官僚たちの夏 (新潮文庫)
官僚たちの夏 (新潮文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
”ミスター通産省”と呼ばれた佐橋滋をモデルとした本。ドラマ化もされ、佐橋滋を佐藤浩一が演じていたと思う昭和の高度成長期の先輩たちは本当に国のために必死で働いたのだとこの手の本を読むたびごとに思う。事務次官争い・派閥・政治家の思惑などが程よくブレンドされ、緊迫感のある物語になっている。佐橋滋を支える人々、ライバルも異彩を放ってよい。
ゴンゾウ@新潮部
戦後復興を遂げ日本が高度成長に突き進む時代の話。現代と異なり政治も企業も役人も成長ぬ向かって走っていてとても前向きだ。でもやはり人事はいつの世も運とタイミングなんだと思う。矛盾しているが必ずしも実力のあるやつとか努力したやつとかが生き残るわけでもない。健康やプライベートも大切だ。必ずしも予定通りに進まない。出る杭は打たれる。人間関係は難しい。
2015/07/11
射手座の天使あきちゃん
随分と「がむしゃら」に生きた時代があったんですねぇ、父親より沙良に上の世代かな!? でも引退後に事業を興す訳でもないのに事務所をかまえ、好きなゴルフをし、好きな人とだけ会って、おおいに政治を語り・・・ って、やっぱり官僚の方と庶民の感覚はベースラインが違うんだね 残念ながら共感出来ずです。ゴメン m(_ _)m
2011/01/02
かみぶくろ
3.7/5.0 この作品で描かれる、天下国家を論じ、熱く政策談義を交わす官僚像っていうのは、今どれだけリアリティを持ちえるのだろうか。現代日本で官僚ほど割に合わない職業選択はなく、それでも彼らは官僚になることを選んだのだから、その志を信じたい気持ちもある。省が人事を握っていたこの作品の時代と比べると、やはり内閣人事局の創設が、官僚の弱体化と国家の劣化に繋がっていく決定打だったのではないかと思えてくる。
2021/03/07
pdango
★★★★☆高度経済成長期の通産省キャリアの熱い男達。平成の時代に書かれた昭和でなく、昭和50年刊行の昭和だからなのか、時代の空気感がよりリアル。俺達が日本を引っ張っていくんだという気概とプライド、いまの時代には敬遠されそうなほどの熱量だけど、日本全体にこういうガムシャラな熱量をもつ人が多くいたからこそ高度成長期があったのだと思う。池井戸節のようなわかりやすいドラマチックさはないけど、読み継がれているだけあって面白かった。
2018/03/24
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