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わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫)

わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫)

わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫)

作家
城山三郎
出版社
新潮社
発売日
1997-05-01
ISBN
9784101133256
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わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ふじさん

大原孫三郎については、大原美術館を作った人程度の知識だった。地方の紡績会社を有数の大企業にし、社会から得た財はすべて社会に返すという信念の元、大原社会問題研究所等の研究機関、倉敷中央病院、大原美術館を設立。一私人の道楽の域を超えている。ひるむことを知らず夢を追い続けた男の人間形成の足跡を辿り、その反骨の生涯を描いた力作。もしも彼の存在がなければと考えると彼の成し得た業績の大きさが分かる。リットン調査団の団員が倉敷を訪れ、大原美術館のコレクションを見たことで爆撃目標から外されたという逸話にも驚かされた。

2022/03/03

こばきよ

少し前に出張で初めて岡山へ、その際上司の計らいで倉敷、大原美術館に予備知識無しで慌ただしくも訪れた。西洋の著名な画家の作品が地方の美術館しかも私設と言う所で驚き。明治、大正期の実業家、資産家にはかなりの富の集中があり、孫三郎氏はその私財を公、そして未来のために投じた人物であった。印象的な言葉も数々。子孫は先祖の誤りを正すためにある。子供に限らず、他の者でも先代の誤りを見抜く見識と、誤りを正す勇気や行動力を持ってさえいれば。クラレ、中国電力、中国銀行の中興の祖、そして受け継いだ總一郎氏を含め岡山の大人物。

2014/07/25

Syo

大原美術館の話をしたところだったので ちょうどいいと思ったけど う〜む 面白さが… 途中でリタイア

2022/02/09

シュラフ

現代は法人資本主義という奇怪なるシステムが世界を支配してしまっている異様な時代である。そこにあるのは会社の目的がたんに最大利潤をあげればよしとする人間不在で思想もなにもない無機質な社会。よくよく考えてみよう。会社にしろ人間にしろその存在の意味が必要である。"世の中に貢献する"とか"他人を幸せにする"というのがその存在の意味のはずである。それがみんな分かってないから法人が人間を支配するというおかしな社会になっている。共済制度の拡充とか地域メセナに取り組んだ大原孫三郎という男は真の意味での経営者といえる。

2016/07/08

まつうら

大原孫三郎のことはまったく知らず、タイトルにひかれて手に取った一冊。城山三郎の人物伝にはよく見られるが、大原も若いときは相当なヤンチャであり、1億円もの借金をしてしまう。それで少しは懲りたのかなと思ったら、こんどは石井十次に入れ込んで多額の寄付をする。福祉事業への寄付は放蕩三昧の散財はわけが違うとはいえ、この金銭感覚にはちょっとついて行けない。 そんな大原も、倉敷紡績の社長になってからは立派だ。「子孫は先祖の誤りを正すためにあるんじゃ」という言葉は、もっと広く知られるべき名言だと思う。

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