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あんちゃん (新潮文庫)

あんちゃん (新潮文庫)

あんちゃん (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1981-08-27
ISBN
9784101134369
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あんちゃん (新潮文庫) / 感想・レビュー

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びす男

じんとくる話から、腹が痛くなるようなおかしな話まで、様々なタイプが揃っている。めずらしく飽きの来ない短編集だった。中盤に収められた「思い違い物語」は、いい味を出している。最後のシーンなど、読みながらニヤニヤしてしまった。「凌霄花」は、花に思いを託すことの意味を教えてくれる素敵な物語。花の名前をひとつ、覚える。そうすれば、年に一度、あの人を思い出す....。笑いあり涙あり、ハッピーエンドが続いてホッとしているところに、最後の切ない「藪落し」。構成まで工夫されているのを感じた。

2017/04/29

nakanaka

八篇から成る短編集。特に印象的だったのは「菊千代抄」でした。高貴な家に女として生を受けたにも拘らず、諸事情により男として育てられた女性の話。女性であることを知ることにより絶望し世捨て人同然の暮らしをするものの、その後の希望のある展開には胸を打たれました。その他にも、ユーモアたっぷりな「思い違い物語」や強い絆で結ばれている兄妹を描いた「あんちゃん」など、どれも秀作揃いでした。この手のストーリーを多く手掛ける山本周五郎ですが、読み始めると面白くて止まらなくなるのは何故なんだろう。飽きがこないんだよなぁ。

2021/10/31

ちゃいろ子

最初の二作品が好き過ぎて。 とある作品を読んで、どこに心を奪われるかというのは、自分をさらけ出すようで、また、薄っぺらい読み方しかできていない気がして物凄く恥ずかしいのですが、そこは仕方ないですね(^_^;) どこまでも人間に対しての目線が愛情深く、どの作品にもそれが表れていて心が震えるのですが。 何とも言えないロマンチックな展開にも、やられたーー!萌えしかない!!と。 きっと、この先も何度も読み返してはほのぼのする自分の様子が目に浮かぶ、そんな短編集でした。

2020/11/08

三平

おっちょこちょいの迷走・暴走男の行動に周りが勝手に意味のあることと勘違いをし、かき回される様を描いた『思い違い物語』がお気に入り。山本周五郎はユーモア小説もまたいい。他には『七日七夜』に共感。いくら箸にも棒にも引っかからないな奴だとしてもさ、周りに寄ってたかってダメダメ言われ続けると、ちゃぶ台ひっくり返して泣きわめきたくなるもんだよ。少しぐらい優しくしてくれてもいいじゃないか。そんな心を代弁してくれた作者の気持ちが嬉しかった。

2016/07/17

riko

★★★★★+

2022/10/06

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