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雨の山吹 (新潮文庫)

雨の山吹 (新潮文庫)

雨の山吹 (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1982-10-27
ISBN
9784101134413
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雨の山吹 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

山本周五郎さんの短編集。武家モノから現代モノ10編収録。様々な苦難や非情な運命に逢いながらも、最後に救いや希望があり読後感が暖かい。「彩虹」での宗之助の行動は昔馴染みならでは。実に粋。「山茶花帖」での奇跡のようなラスト。悲しい運命に耐える話しかと思っただけに感動も大きい。「半之助祝言」での飄々とした半之助の動きに小気味良く読む。まさかラストにそこまで持っていくとは。「いしが奢る」では、いしが魅力的。危うい状況を切り抜けた二人の幸福が光る。現実は厳しい。だからこそ小説が与える希望が目映く輝く。素敵な短編集。

2020/07/04

タツ フカガワ

全10編のうち7編が武家物で、それもほとんどが恋物語という短編集。愚鈍で愚直、見た目もさえない男の密かな恋心におかしみが滲み出る「恋の伝七郎」。藩政改革に江戸から来た男の奇想天外な言動が笑いを誘う「半之助祝言」。一方、兄妹同様に育った妹が自殺。数年後、公金を使い込んで出奔したかつての家来と妹が暮らしていることが判明して、兄は二人を処罰するため向かう。結末の美しい描写が涙を誘う表題作ほか「いしが奢る」など、13年ぶりの再読も楽しい読書でした。

2024/06/04

金吾

○山本周五郎さんの本は読み終わった時に清々しい気持ちになることが多いです。「喧嘩主従」が良かったです。

2023/05/15

金吾

○山本周五郎さんの作品で感じるのは、人間のすごさです。実在はなかなかいないのかも知れませんが、信念をもった無銘の凄い人たちを見るとなんか元気が出て来ます。この本では「喧嘩主従」「半之助祝言」が好きです。

2020/10/18

シュラフ

タイトルの「雨の山吹」がよかった。男はどうして雨の中の山吹の花を見て、それまで絶対に許さないと思っていたはずのかつて出奔した家来と妹を許す気になったのだろうか。おそらくは雨の中にたたずむようにひっそりと咲く山吹の花のあまりの美しさに心を揺るがされるような感動をおぼえ、それと比べてのおのれのちっぽけな心に恥じたためだろう。このとき男は妹のかつての苦しみと今の幸せにはじめて気がついたのだ。人が真実のことに気づいたときの感動はなんとも美しい。山本周五郎の小説を読んだときの心の奥底からの感動がこの小説にはある。

2015/01/18

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