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菊月夜 (新潮文庫)

菊月夜 (新潮文庫)

菊月夜 (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1984-04-01
ISBN
9784101134468
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菊月夜 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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タイ子

昭和一桁から~20年代まで雑誌に掲載の作品が今読んでも胸にグッときたり、クスリとさせて素晴らしき時代小説を感じさせてくれる、これぞ山周作品ですね。武士の世界のままならぬ生き様を読んだと思えば、いきなり忍術の不思議物語が出てきてビックリ!山周さんならではの面白さで始終クスクス。「おもかげ」が印象的。母亡きあと育ててくれたのはまだ若い叔母。優しい叔母がだんだん厳しくなっていく。そんな時に母の面影がよぎる。成長した甥に叔母は初めてこれまでのことを打ち明ける。愛情が沁みる物語。「一領一筋」はラストのオチでうなる。

2024/01/06

じいじ

やっぱり山周小説はいいです、短篇でも読み応え充分です。どれも遜色なし、すべてを紹介したいところですが…。」【花宵】武士の父を亡くした母と兄弟の物語。母の教えは、兄には甘くやさしいのに、弟には厳しく接します。その母の意図は…?。一番のお気に入りは【菊月夜】武家社会には不可欠の「家督相続」をテーマに、仇討ちを描いている。心に決めた女性一家が破滅に…。詳細を知らずに祝言を挙げた主人公は、新妻から彼女一家の顚末を訊かされます。…悲恋―実らぬ恋であるが、すでに枯れ果てたはずの熱いものが込みあげてきました。力作。

2023/12/28

KEI

とても変化に富んだ短編集だった。どれも甲乙付け難いが、母親の代わりに遺された子を厳しく育てる「花宵」「おもかげ」が良かった。武士の世界のままならぬ姿を読んだかと思えば、忍術の不思議な話が出てきたり、クスリと笑ってしまう山本周五郎さんのユーモアを感じた話もあった。秀作だった。

2024/06/25

のびすけ

表題作「菊月夜」が一番印象的だったかな。江戸から帰藩した信三郎が、許嫁だった小房の父の死の無念を晴らす。小房の境遇が不憫で、信三郎の妻に宛てた手紙に胸が締め付けられる。「花宵」と「おもかげ」は角川の「春いくたび」にも収録されていて既読。厳しさの中に隠された"母"の深い愛情が心に沁みる。全体的には今ひとつの作品が多く、低調でした。

2023/05/21

OHモリ

・書棚から取り出して読んだ。やっぱり山本周五郎はええなぁと思って読メに登録しようとしたら実は既読では再読らしい。全然記憶になく新鮮に感動。 ・大人のためのおとぎ話というか日本昔話的なお話だと思った。 ・「忍術千一夜」は当時は斬新だったのかもしれないが、忍術物としてはやはり山田風太郎には勝てないような気がする。コミックだけど白土三平のほうが面白い。 ・のちの作品の原型になったとされる「留さんとその女」「蛮人」は確かにまだまだ作品として未完成な印象である。「青べか物語」を読んでみるのもいいかなと思った。

2024/05/11

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