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周五郎少年文庫 黄色毒矢事件 (新潮文庫)

周五郎少年文庫 黄色毒矢事件 (新潮文庫)

周五郎少年文庫 黄色毒矢事件 (新潮文庫)

作家
山本周五郎
末國善己
出版社
新潮社
発売日
2018-09-28
ISBN
9784101134710
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周五郎少年文庫 黄色毒矢事件 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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のびすけ

あの山本周五郎先生のジュベナイル作品。中学二年生の秀才・春田龍介が悪党を相手に大活躍する。春田少年の敵は外国の軍事スパイだったり、満州国転覆を目論む秘密結社「匕首党」だったり、やたらとスケールがデカい。春田少年は当たり前のように自動車を乗り回し、平気で拳銃をぶっぱなし、春田少年の指示一つで駆逐艦や飛行艇を出動させる。敵との戦いが穏やかではない。解説で触れられていたが、これらの少年探偵物は生活のための「稼ぎ原稿」だったそうだ。若かりし周五郎先生の意外な一面を知ることができた。

2021/06/17

がらくたどん

あの山本周五郎先生が「稼ぎ原稿」とぼやきながら少年誌に書いたと言われる子供向け探偵活劇譚。全集でしかお目にかかれなかった作品群が「なんと文庫ですよ!」と同僚に漏らしたら苦笑された記憶が。探偵役はセレブな中2の春田少年と子分(!?)の孤児メリケン壮太。知力と胆力はもちろんだが財力・武器・コネクションを湯水のごとく使いまくって国内外の難事件を解決していくという大胆設定がすがすがしい。人情の機微を描き切った大作家の余芸と言うよりは隠し引き出し。ほぼ同時代の乱歩先生のところの小林君の活躍と比べて読むのも一興♪

2021/05/29

そうたそ

★★☆☆☆ 若き日の山本周五郎がお金を稼ぐために書いていた少年向けのシリーズ。どこか懐かしさを感じる表紙と物珍しさに心惹かれ読んでみた。今の今まで埋もれていたのもよく分かる、とても山本周五郎が書いたとは思えないようなツッコミどころ満載なハチャメチャな内容であるが、一方で断片的には後の山本周五郎を型作ったと思わせるものも感じられる。とはいえ、興味本位で読む以外に特に読む理由はなく、現代でも変わらず面白い江戸川乱歩の少年探偵団シリーズはやっぱりすごいんだなあと改めて感じ入った。

2018/11/05

Kei.ma

山周こと山本周五郎さんの作品を見つけた。題名は、黄色毒矢事件少年春田龍介といふ。舞台は大戦争前、緊迫する東京と満州を舞台にしてゐる。面白い、男の子が憧れる天才になった気がし、興奮する。スパイをやっつける龍介になったかのように、白い頬がいつしか赤く染まったようだ。時代小説、人情小説で他の作家と一線を画していた山周さん。ファンを自認していたのに、こんな冒険小説をお書きだとは知らなんだ。出会えて嬉しかった。

2018/11/04

Kotaro Nagai

本日読了。周五郎は大正15年に「須磨寺付近」でデビューした後、糊口をしのぐためしばらく少年少女誌に作品を発表している。本書はそのなかで昭和5年から8年に少年少女譚海に掲載した少年探偵春田龍介を主人公にした7編を収録。周五郎自身「稼ぎ原稿」と呼んでいた作品で、当然当時の時代背景を反映した編集者の注文に沿った作品であるが、ストーリーの運びなどよく練られていり部分もあり、少年向けながら楽しめました。それにしても春田少年、拳銃を所持してかつ平気で撃ち殺すし、大人顔負けの超人的な活躍でびっくりです。

2020/12/26

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