周五郎少年文庫 木乃伊屋敷の秘密: 怪奇小説集 (新潮文庫)
周五郎少年文庫 木乃伊屋敷の秘密: 怪奇小説集 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ぽろん
周五郎といえば、時代小説のイメージだったので、この様な少年物の怪奇小説を描かれていた事が意外でした。しかも、今作は戦前に書かれていた物ばかりというのも驚きです。内容は、少年物としては、惨忍な状況も多かったけれど、短編という事もあり、あっさりした書き口で読み易く、その中でもシャーロック ホームズが愉しかった。
2019/01/07
旗本多忙
周五郎ものは初めて読むんだが、長編の「シャーロックホームズ」は面白かった。モンゴール王の宝玉を狙って英国から悪党3人が日本に潜入。それを追って敏腕探偵ホームズが日本で大活躍するものだ。浮浪児、凡太郎は殺人現場に出くわし、ホームズの知遇をえて捜査に協力する。まさに明智と小林少年だ。他に、70年毎に繰り返される悲劇「殺生谷の鬼火」夜な夜な生き返る「木乃伊屋敷の秘密」諏訪湖の底に武田信玄の遺産が・・・「湖底の秘密」など面白い短編作品がズラリ。 今年は山本周五郎で行こうかな。ちょっと偏屈な作家らしいけど(笑)
2019/01/05
Kouro-hou
山本周五郎の少年向け戦前探偵小説短篇集、怪奇編。長篇「シャーロックホームズ」含む。これは偽名で来日したホームズさんが浮浪児を舎弟に活劇するパロディ。凶器が毒吹き矢、「まだらの紐…」と言って死ぬ女(呼び鈴紐固定)、軽井沢の滝壺に落ちて失踪するホームズとヲヲ!となる事請け合いw これが終わっても「お、お前は○家の犬!」なんて短篇もあるので気が抜けないw 表題作は、古代ミイラの棺を研究のために持ち帰ったところ、毎夜博士の水差しを全部飲み、帰り際にニッコリ笑うミイラが出現っていいのか!?腐るぞ!?という怪作ですw
2018/12/11
寒っ!!
シャーロックホームズはよく言えばオマージュだろう。トリックがそっくりそのままなのがオマージュといっていいかどうかとも思えるが。悪いことをした人間も改心の余地があれば罪を不問にするという流れはよかった。
2019/09/06
Kotaro Nagai
本日読了。周五郎少年文庫3冊目。昭和10年~14年、「新少年」「少年少女譚海」誌に掲載の怪奇色の強い13編を収録。本書の注目は180ページ余の中編「シャーロック・ホームズ」でしょう。周五郎がホームズのパスティーシュを書いていたとは知りませんでした。少年向けとはいえ、「4つの署名」を下敷きに滝壺のエピソードや「まだらの紐」を挿入してサービス精神満載で楽しめる。ラスト、ホームズが英国に帰国する段になってあっと驚くことが。。。ホームズ、どうした?時代小説で名をなす前の若き日の周五郎の意外な作品が楽しめる。
2021/01/14
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