周五郎少年文庫 南方十字星: 海洋小説集 (新潮文庫)
周五郎少年文庫 南方十字星: 海洋小説集 (新潮文庫) / 感想・レビュー
いの
本屋さんでシリーズで並んでいた中の1冊です(後から行くと他の少年文庫本はなくなっていました残念)。執筆されたのは1930年代で大正から昭和にかわる頃。あっさりとしたものですけれど当時の愛国心や武士道精神を知る活劇ものとなっていました。奇想天外な場面もあります。この中の「祖国の為に」で親と子の関係よりも祖国のために精神を捧げる姿は寂しいものでした。
2019/12/21
Kotaro Nagai
本日読了。周五郎少年文庫5冊目。本書は昭和8年~14年の少年少女譚海に掲載された海洋小説7篇と少年文庫刊行中に発見された1篇を収録。表題作は昭和10年1月号~12月に連載された作品で、南方の島の金鉱を探し当てる冒険エンタテインメントで、キングコングまで出るサービス精神旺盛で楽しめる。ちなみに米国映画のキングコングは昭和8年に公開されている。「義務と名誉」(昭和9年)、「祖国の為に」(昭和7年)では、当時の風潮に同調しないような作風で、周五郎の気骨を感じさせる。
2021/01/29
りんご
ノスタルジックです。周五郎も時代の流れの中で、こういう話を書いていたのですね。表紙の如く巨ザルが登場します
2022/07/01
だまし売りNo
「囮船第一号」は日本海軍の最新鋭の戦艦として豆戦艦が登場する。普段は漁船などにカモフラージュされる程度の規模であるが、戦闘機も一台格納されている。 第二次世界大戦の日本海軍は大艦巨砲主義に固執して敗北した。ところが、本作品のような娯楽作品には機動力重視の発想がある。「アメリカあたりではまだせっせと巡洋戦艦を造るのに夢中だが、此方はひと足お先に逆手をいっているのさ」との台詞まである(95頁)。どうして日本海軍は大艦巨砲主義に固執していたのだろうか。
2019/03/18
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