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柳橋物語・むかしも今も (新潮文庫)

柳橋物語・むかしも今も (新潮文庫)

柳橋物語・むかしも今も (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
2019-02-28
ISBN
9784101134864
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柳橋物語・むかしも今も (新潮文庫) / 感想・レビュー

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KEI

10代の頃に出会った山本作品の記念すべき1作目。江戸下町の風情や人々の姿や人情を横糸に、その時代の討ち入りや大火、大地震を縦糸に見事に織り込みながら今回も一気読みでした。【柳橋物語】主人公のおせんは庄吉を待ち続ける事で、かなり辛酸を舐める事になりますが、幸太の想いに気が付く下りでは、何度読んでも涙が出てしまいます。【むかしも今も】親方から「まきを頼む」と言われた直吉がそれを守る愚直な姿は前述の幸太にも繋がり一途な2人の男の姿がなんとも言えません。時代小説がお好きな方で未読の方に是非お薦め本したい本です。

2019/12/19

tengen

敗れ庄吉は旅立つ。おせん待っててくれるか?そして幸太になびかないでくれと。おせんはその言葉にほだされた。「待ってるわ」幸太との縁談話が持ち上がるが断る。祖父が倒れると幸太の世話になるが、もう来ないでくれと突き放す。だが大火事の日に幸太はおせんの元に駆けつける。死んでも守る。そして幸太は火事からおせんを救い死んでいった。☆愚直な直吉はおまきの子守が生きがい。だがおまきは後輩職人の清次と祝言を。親方から死に際、後見になっておまきを守ってくれと頼まれる。清次は博打にのめり込んでいたのだ。直吉一層の献身が始まる。

2019/12/19

のびすけ

「柳橋物語」のおせん、「むかしも今も」のおまき。どちらの物語も、艱難辛苦の末に本当の愛に気付く女性を描く。男は容姿や口先ではない。本当に愛してくれてたのは、ずっと近くで支え続け、命懸けで守ってくれた人だということに気付く。おせんとおまきには、大切な人とともに力強く生き抜いて欲しい。どちらの物語も清々しい気持ちで読了でした。面白かった。

2020/12/27

雲國斎

ここんとこ、山本作品をまたちょくちょく読んでいる。「むかしも今も」は、おまきの言葉(何と言ったのかはぼかしてあるが)を聞いた主人公直吉が、顔を赤らめる場面で終わる。娘のおまきを頼むという主人の言葉を必死の思いで一途に守り通してきた直吉。愚直だが実直な主人公が最後に見せる様子がほほえましかった。原田マハさんの寄稿も良かった。

2019/08/03

ビグ

『柳橋物語』は昭和21年の作品。おせんは上方へ旅立つ庄吉に自分が帰ってくるまで必ず待っててくれと言われたひと言で人生が縛られてしまう。自分を好いてくれる幸太を拒み続け、ひと言にがんじがらめに縛りつけられていると気づかず次々と試練がやってくる。『むかしも今も』は昭和24年作品。グズでノロマな直吉は仕事仲間のみんなに蔑まれるが、おかみさんに子供のまきの世話係を任され、それ以降人生をまきのために生きる。どちらも1人の人に人生を翻弄されるが、自分の信念を曲げず、そして人として真っ直ぐに生きている姿が描かれている。

2023/09/07

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