橋のない川(三) (新潮文庫)
橋のない川(三) (新潮文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
青年になった誠太郎・孝二の物語である。 結婚に悩む 誠太郎の心情が痛々しい。 部落差別が残る 大正の米騒動を背景に 若者たちの成長を描く …杉本まちえが 先生となり、誠太郎が 兵役へ …時代が動く予感がする巻だった。
2020/06/02
TATA
時代は進み、米騒動が発生。米価の異常な高騰が最底辺の人々の生活をいかに苦しめたか。そして誠太郎は甲種合格し入営へ。ハルピンで待つであろう過酷な日々を前にほんの一時の帰郷。見送る母、旅立つ子。いつの時代であっても胸を打つものだと。
2019/08/03
James Hayashi
大正時代の米価高騰から米騒動に至った時代背景。米屋に務める誠太郎をメインに綴られている。食うのにも困っている貧しき人たちが主食(粥がメインだが)を欠き、行き詰まっていく様子が詳細に語られている。戦後ということもあり、物価高騰、都市流民で農民不在が米価高騰に結びついたようだ。次巻へ。
2020/11/18
湖都
シベリア出兵、米騒動という歴史の流れに誠太郎と孝二も巻き込まれていく。その中で持ち上がる誠太郎の縁談と兵役。誠太郎の成長と離別が嬉しくも悲しくもある3巻だ。小森の人たちが竹槍で決起しそうなシーンや、大阪の米騒動のシーンではどきどきした。そして、ぬいとふでの変わらぬ良好な嫁姑関係や、小森の人々の家族同然の付き合い(夕飯をご馳走しそのお礼に片付けをしてもらう)や、子供の時からの変わらぬ友情などの描写を読むと、エタを嘆く人々よりも現代の人間の方が貧しい人間関係の中で生きているのではないかと考えてしまう。
2018/06/06
さとむ
米騒動が起きるまでの経緯がよくわかった。先日読んだ吉村昭の『破船』でもお米がいかに貴重なものか描かれていたが、本作を読んであらためてお米のありがたさと現代の飽食を想う。
2015/10/21
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