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橋のない川(七) (新潮文庫)

橋のない川(七) (新潮文庫)

橋のない川(七) (新潮文庫)

作家
住井すゑ
出版社
新潮社
発売日
1994-07-28
ISBN
9784101137124
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橋のない川(七) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

最終巻は 穏やかな展開だった。 差別と闘った小森の人々の一生が静かに 刻まれる。幸徳秋水、難波大介 …この時代の事件の風景が 庶民の視点で 描かれる。ぬいと ふで、そして 誠太郎・孝二の 兄弟が 誠実に生きた… 静かな 庶民の物語だった。

2020/06/30

キムチ

読み始めは、咀嚼し辛い感情だったが読み進むにつれ、40年前がどんどん膨らみ 怒涛の想いで一気読み。筆者が30年余に渡り書き続けた大河のうねりは滔々と・・それどころか「福祉」というカテゴリーで21C の社会で新たな視点で対峙する課題に。最終巻と言えども筆者死去によるそれでピリオドが打たれたわけだが、新たな書き手に期待はしない(風と共に去りぬの様に換骨奪胎の可能性)牛久の沼から下界を見下ろし小森の行方を微笑みつつ❓憂いの❓面持ちで眺めている事だろう。 熊ちゃんや信吉はもはや故人かな。「末代の栄誉」は既に死語

2020/11/22

TATA

最終の第7部。大河作品もこれにて読了。前巻から20年ほど空いての執筆だったらしく、孝ニたちの日常から少し離れて皇太子襲撃事件などを取り上げてあらためてこの時代の状況を描く。全編通じて部落、普通選挙、労使、朝鮮問題と大正時代の思想史を総ざらい。そして、読後残るのは奈良の美しい情景と祖母ぬいの存在の大きさ。当初は部落差別についての作品というイメージでしたが、それだけにとどまらない、ホントに美しい作品でした。

2019/09/04

James Hayashi

現在も世界で蔓延る差別の問題を、身近な日本で現実に起こっている事を歴史的事項を踏まえながら、ストーリーとして組み込んだ大作。大正時代でさえ小作農の苦悩が続いており、領主や天皇、お上という全くの別世界を肌で感じた。差別、部落問題を語る上で良い副教材といえよう。

2020/11/22

湖都

7巻は、皇太子を襲撃した難波大助と、かつて孝二に強烈な印象を与えた幸徳秋水という2人の人物についての考察を主としている。おかげで、小中学校で学んだ日本史の知識に厚みが加えられたように思う。未完の本シリーズだが、7巻の結末は明るく、時代はちょうど昭和に変わったところ。主人公である孝二は活動の場を広げ、次世代の熊ちゃんも大人への階段を登り父に会いに網走へ旅立とうとしている。変わりつつある時代と、いつも変わらぬ母と祖母のいる家の対比が美しい小説であった。続きが読めないことが寂しい。

2018/06/13

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