カルトローレ (新潮文庫)
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カルトローレ (新潮文庫) / 感想・レビュー
mayu
読書メーターの感想を見て。ここではない異国。どこまでも続く沙漠と天空に浮かぶ《船》。《船》から降りた人々は記憶も名前すらもなく、辿り着いた場所では男女の別も衣服で変わるという。主人公が紐解くはずだった航海日誌カルトローレも、繰り返し現れる図案や紋様も謎は謎のまま残る。異国情緒漂う街並みの描写や料理やお菓子の描写は美しく鮮明なのに、人物や主題と思われるモチーフについてはふんわりとした輪郭しかない。曖昧さから広がる空想がまたこの作品の良さなのかと思う。ストーリーより雰囲気を楽しむ読書だった。
2020/07/11
カピバラ
2連ちゃんで不思議系の本を読んでしまった…。ゆっくりとした時間が流れる物語でした。再読はしないだろう!!
2015/11/08
橘
面白かったです。穏やかな空気が流れていて、謎は謎のままでいいこともあるんだな、という気持ちになりました。食べものがとても美味しそう。砂に覆われた景色や、ワタが纏う服の模様など、情緒豊かで素敵でした。
2015/12/08
megumi♪
クロシェ、フェンネル、虹玉子、ピアネッタ。現実とはちょっと違う日常で生きる人々。好きな世界観のはずなのに、なかなか入り込めませんでした。それでもこの世界にひたりたくて丁寧に読んでいたら読了まで時間がかかってしまいました。セリフにカッコが無いのが読みづらい原因かもしれませんが、だからこそこの独特な世界観が出来上がってる気もします。もっと集中して読める環境の時に再読したい。
2020/06/25
マッキー
若い頃、著者の作品をむさぼるように読んだ。想像力が刺激される不思議な世界観。流れるように紡がれる文章。過去の作品の面影はそのままに、さらに洗練された印象を受けた。多くの謎を抱えた物語だが、明確な答えはない。心地よい世界に浸りながら、淡々と綴られる日常を感受し、想像を巡らせる。そういう楽しみ方をする小説なのだと思う。とくに料理、菓子、お茶の描写が素晴らしい!
2017/06/15
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