霧と影 (新潮文庫 み 7-2)
霧と影 (新潮文庫 み 7-2) / 感想・レビュー
shizuka
水上さんのミステリーは初めてかもしれない。東京、若狭をメインにあっちこっち結構入り組んだ話になっていた。発端は東京。詐欺に遭い倒産した衣料品会社社長、謎の失踪。腑に落ちない気持ちを専務がある人物宛に手紙に記す。そこから急に舞台は若狭寒村へ。世帯数4戸。うち1人が狂人として蔵に軟禁されている。狂人には小学生の息子が一人。その担任教師がなぜか寒村近くの崖から転落死。初動では事故死となったが、それに異議を唱える友人のブン屋参上。登場人物が多く読みにくさも多少あるがなかなかどうして。正統派ミステリー、面白かった。
2016/09/05
まし
まだ戦後の雰囲気が残る、日本が貧しく若かった頃、 その混乱期を彷彿させるような一件の詐欺事件、 それとは遠く離れた能登で起こった転落事故。 まるで縁のない二つの事件がどうやって繋がって行くのか? 推理小説としても面白いけど、そこに描かれる 人間模様に引き込まれる。全体的にモノクロームなトーンで描かれる中 要所要所で現れる山桃の実の赤さが鮮明で印象的。
2018/08/24
ぱーぷる・ばんぶー
再読。友人である小学校教員が若狭の断崖から転落死したことに疑問を感じた新聞記者が現地へ行き、へき地の集落に疑惑を覚える。一方、東京で起こった洋服問屋の社長の失踪事件もその集落と関係し…。
2024/02/12
xkxxxxk
四世帯しかない集落って描写のあることないことひっくるめて人の心の闇が濃縮されていそうで怖い。
2016/06/10
鈴木弘
東京の洋服問屋社長石田寅造の謎の失踪。 福井県での小学校教員笠井早男の 断崖からの転落死。 一見脈絡のない二つの事件が、旧友の新聞記者小宮の手で、ひとつに結びつけられたとき…
2015/03/10
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