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飢餓海峡 (新潮文庫 草 141-4)

飢餓海峡 (新潮文庫 草 141-4)

飢餓海峡 (新潮文庫 草 141-4)

作家
水上勉
出版社
新潮社
発売日
1969-08-01
ISBN
9784101141046
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飢餓海峡 (新潮文庫 草 141-4) / 感想・レビュー

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キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

読書会のために再読。戦後すぐに起こった洞爺丸遭難と岩内大火災をモデルにしたミステリー。少し不思議な作品である。犯人はすぐに割り出される。2人の警官とそれに共感する何人かの人々とで、しつこく捜査される。六尺以上ある大男が捜査の対象で、探し出されたりもするのに、この男の真の姿はなかなか明かされない。全て終わった後もどれが真実なのかわかったようなわからないような。飢えても困窮しても一生懸命生きている人々に優しくありたいとする作者の気持ちが透けて見えるようなきがしました。

2017/06/26

fseigojp

映画原作 三国連太郎の怪物ぶりと左幸子の哀れさが痛切に印象に残った

2015/08/31

simasima

みっちりぎっちり極小活字が並ぶ古い新潮文庫版のこちら、お気に入りさんが読んだというので勢いで挑戦。青函連絡船転覆事故に殺人放火事件が絡み、刑事は勘と執念で地道に容疑者を追う。一方、その容疑者との刹那の出会いで救われた娼婦はその恩を胸に戦後の貧しさを生き抜き、10年後、地位を築いた容疑者と再会。これが2人の運命を大きく動かすのだが、事件そのものより背景にある様々な貧困のかたち、当時の生活の描写、登場人物の葛藤などの重厚さに読み応えを感じました。オート三輪、配給、パンパン…、昭和の空気にどっぷり浸れます。

2014/01/24

よし

以前から気になっていた本。題が何とも魅力的。あとがきにあるように、初めに、主人公の犯人が出てくるとは‼️確かに、推理小説の王道をは踏み外している。「興味は謎解きでなく、主人公達がいかに生きていくかにあった。」弓坂と味村刑事の捜査がいい。京一郎の子ども時代から北海道での10年と八重との接点を二人は執拗に追いかけていく。犯人は分かっているのに、スリリングでリアルに真実に迫っていく。もう一気読み。どんどん加速していった。 この作品は、作者が言うように「人生人間(推理)小説」。読みごたえのある。

2019/06/10

勝浩1958

映画の印象が強くて、特に犬飼多吉役の三国連太郎、杉戸八重役の左幸子、弓坂吉太郎役の伴淳三郎の演技が素晴らしかったことが思い出されます。ですから、あえて原作は読んでいませんでした。いま改めて読んだ印象ですが、犬飼こと樽見京一郎は八重を本当に殺さなければならなかったのであろうかという疑問が湧くのです。彼の知恵と弁をもってすれば、どのような嘘もつけたと思われますし、八重も命の恩人にお礼が言いたくて現れたのですから、樽見が過去の犬飼の名は誰にも公言せぬよう説得すれば、八重は喜んで納得したであろうと思ったので。

2015/08/30

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