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ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)

ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)

ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)

作家
水上勉
出版社
新潮社
発売日
1981-08-27
ISBN
9784101141145
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ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫) / 感想・レビュー

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優希

面白かったです。跳躍と木登りが得意なトノサマがえるのブンナ。大の冒険好きが手伝い、高い椎の木に登って様々な不思議を知るというのが、大切なことを教えていることに通じていると思いました。一見、色々な生き物が言葉を話すお伽話のようですが、弱肉強食、命のこと、生きる意味など、大切なことを伝えるだけでなく、考えさせてくれます。子供向けに書かれた作品ですが、著者が言いたいことが全て織り込まれている物語だと思いました。しんどいことも多いけれど、一生懸命生きよう。

2016/08/24

アカウント停止

福山雅治さんが20代の頃、こんな事を言ってたのを思い出した。「人を蹴落としてでも成功したい」と。芸能界という所はそれほど厳しい世界なんだ、と思った記憶がある。世の中は平等が理想ではあるけれど、実際はそうじゃない。弱肉強食の世界。差別や偏見もなくならない。この作品には綺麗事だけではない、これらの真実が込められている。他人より劣っていたとしても決して悲観せず、自分自身を一番大切に。死を恐れず、今を精一杯を生きろ、という作者の力強いメッセージが伝わってきた。(読み友さんのレビューを拝読して手に取りました。→続く

2020/09/06

空猫

お気に入りサンより。児童書。仲間の内で唯一木登りが出来る蛙のブンナが、10mの木の先まで行ってみればそこは鳶のエサ貯蔵場所だった。窪みにある土の中で隠れていると、百舌、雀、鼠、蛇、蛙、、と次々に捕らえられたモノ達が。捕らえられた後悔、死にたくないとあがき、慰めあったり、警戒したり。…生きてる者は、全て死ぬ。死んだら土に…土から新しい生物が出てくる。全てまた生まれ変わる。生きるとは、食べるとは、、、戦場、病床、傷ついた者達の気持ち、、読み手によって場面の想像が異なるだろう、中々に深いお話でした。

2022/08/18

S.Mori

子供向けの童話ですが、むしろ大人が読んだほうがためになるのではと思う作品です。トノサマがえるのブンナが椎の木に登り、そこで自分を変える大きな体験をします。それは、どんな生き物でも、生きるために他の生物を犠牲にする必要があることを知ることでした。作者が僧侶になるために学んだ仏教の思想が生かされています。他の生物を犠牲にしなければならないのなら、どう生きたらよいのかという答えに誠実に答えを出そうとする作者に脱帽。全ての命は繋がっているとブンナが気付く結末は、美しくて気高いです。

2020/08/13

東谷くまみ

この世には善と悪があり激しく憎むような悪い人にも親がいて愛情や生き方を教えてくれていたという事。この世には抗えないさだめがあるという事。遅かれ早かれ生まれてきたならば死ぬ運命にあり、その覚悟はあるのかという事。死んでも尚、その生は受け継がれ未来へと続いていく。死も受け入れる勇気を持つこと。世の中は回り回って死が生になるという事。人生は思うように進まないし、まさかも多々ある。それでもこの世に生をうけたなら頑張って今日を生き、生きられる喜びを噛みしめこれからも懸命に生きていく大切さをブンナに教えてもらった。

2020/07/29

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