越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん (新潮文庫)
越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん (新潮文庫) / 感想・レビュー
ann
長い間上越地方に縁があり、何十回と訪れていた高田で、「瞽女さん旅めぐり」みたいな地域おこしのマップを見て初めて存在を知ったのがずいぶん前。以来興味を重ねている。半フィク半ノンフィクな「はなれ瞽女おりん」はもとより、他の小品も「越後・越中」というその地独特の暮らしや文化をモチーフにした、哀しいおとぎ話のような印象を感じた。水上文学、日本語を噛み締められる。
2022/08/06
ぷく
光だけが彩るのではない。暗闇が、いや、暗闇こそが彩ることのできる世界も、確かに存在するのだと知った。女という字を取り巻くことばたちの、寂しげな佇まいとは裏腹の、煮えたぎるような情念が絡みつく。 ずぶずぶと足を取られるのに、それでも、彼女たちの行き着く先を見届けなければならないという思いに駆られた読書、濃密な時間だった。
2019/12/08
ヒラP@ehon.gohon
何十年ぶりかで水上勉作品を読みました。頭でしか受け止めていなかった水上勉の作品の時代背景と、人の生き様について重くのしかかる作品ばかりです。 障がい者の扱われ方、男目線で描かれた、女性に対する威圧的なとらえ方等、現在では成り立たない過去形作品かもしれません。 そんな意味合いでも、考えさせられる作品集でした。
2024/05/12
FOTD
部屋の整理をしてたら見つかった水上勉の小説を読み返してみた。この本には『越後つついし親不知』『桑の子』『はなれ瞽女おりん』『有明物語』『三条木屋町通り』の5つの作品が収録されている。そのなかの『越後つついし親不知』『はなれ瞽女おりん』2作を一気読みした。何と悲しい話であろう。 民衆への視点、風土性への感心、この2点が水上文学を支える柱だと解説に記述があったが、まさにそのとおりの2作品だった。
2019/01/22
A-yo
ひたすら切なかった 女性の抗議できない悲しみのような感じがした。
2021/09/06
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