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原色の街・驟雨 (新潮文庫)

原色の街・驟雨 (新潮文庫)

原色の街・驟雨 (新潮文庫)

作家
吉行淳之介
出版社
新潮社
発売日
1966-10-24
ISBN
9784101143019
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原色の街・驟雨 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

初期の5つの中・短篇を収録。篇中の「驟雨」は第31回(1954年上半期)芥川賞受賞作。吉行は、「原色の街」で候補になって以来、ほぼ毎回候補に挙がって来て、ここでようやく獲得したのであった。つまり、手練れではあるものの、最後のインパクトには欠けるとの評価だったようだ。また、後年にも『夕暮れまで』を書いていることから、官能小説家のようにも思われがちだが、実質はかなりニヒルでクールな都会派作家である。ここでも娼婦が描かれるが、情交の場面はなく、主人公の山村と娼婦の道子、それぞれのデラシネこそが描かれたのである。

2014/03/30

遥かなる想い

第31回(1954年)芥川賞。 昭和の夜に生きる女性たちを しとやかに描く。山村英夫が 娼婦道子と 交わす情愛がひどく 哀切で ぼんやりとした翳の世界が 心に残る。 著者が描く情緒深い 夜の街は、昭和とともに 去っていったのかもしれない.. はるか昔に 通り過ぎた気がする 大人の 世界だった。

2017/06/25

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

しあわせになりたいの、とわらって女は飛んで火に入った。美しい髪は、焼けてしまつた。美しい肌はおちてしまつた。あついあついと、あげたのは嬌声だった。うつくしい女の、のこったのは骨だけだった。骨はひどく、軽かった。名残りは美しいゆえに虚しく、その侘しさが一層のこと思い出としての輝きをいや増す。男の帰る家は、別にあるのだから。男は美しい思い出を買って、女は春を売って命を燃した。あの赤いあかるいあたたかい光はいつか、

2019/11/20

kaizen@名古屋de朝活読書会

芥川賞】人間の思いだけに深めるのではなく、人の行動だけを描写するのではなく、微妙な均衡を保ったまま、物語を進めていき、いい加減なところで終わる。社会を激しく批判するのでもなく、物を愛でるのでもない。芥川賞のお手本のような作品。

2014/10/07

YM

主人公は女性を愛することに煩わしさを感じ、娼婦との気楽な付き合いを選ぶ。しかし、ある娼婦との出会いが、徐々に主人公の感情を揺さぶる。あ、好きになっちゃったかも…。こうなると、相手が娼婦であることが、逆に主人公を苦しめる。こうしている間にも彼女は今ごろ…。そりゃそうなるわ。僕は女性と体を触れ合わせると、否応無く心を持っていかれる気がする。その体の感触から恋しくなるような。だから風俗には行かない。きっとハマると思う。

2015/02/21

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