怖ろしい場所 (新潮文庫 よ 4-9)
怖ろしい場所 (新潮文庫 よ 4-9) / 感想・レビュー
かがみん
怖ろしい場所から逃れるため、安寧を求めて移り行く先が、また怖ろしい場所へ変わる。やがて記憶の中の女たちが、まるでキメラのように混在し、一つの像を描いて、襲いかかってくる……。夢を見るときに、ふと、ここは現実なのではないかと、そんな有りもしないことを考えてしまうことがあるが、そういった夢はたいてい悪夢だ。この作品での夢もその例を免れない。夢と現実を交錯させ、散文を一本の筋でピンと張り、繋ぎ合わせる。『暗室』や『闇の中の祝祭』にみれる吉行の技術が光る一冊。
2014/06/10
ヒラオカキミ茸
ブランデーと香水の匂いでむせかえりそうな部屋。ゆでたまごの殻をむく美女。そんな雰囲気の作品。
2012/07/20
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