戒厳令の夜 下 (新潮文庫 い 15-10)
戒厳令の夜 下 (新潮文庫 い 15-10) / 感想・レビュー
KAZOO
後半に入り国家権力から逃れてスペイン、あるいはパリ最後はチリということで、アジエンデ政権が崩壊したところまでを描いています。パブロ・ピカソ(画家)、パブロ・ネルーダ(詩人)、パブロ・カザルス(音楽家)、パブル・ネルーダ(幻の画家、作者の作った人物)と4人のパブロが死んだ年でもある、ということでこの大作は終わっています。私が所有しているのは自の小さな新潮文庫版ですので、今だと3分冊くらいになっているかもしれません。若い時とは異なる作者の脂の乗り切っているときに書かれた気がします。
2015/12/21
takachan
単行本発刊当時、高校生だったが熱心に読んだと思う。絵画や地元、九州の歴史、日本の古代史、南米のことなどに興味を持ったとっかかりはこの本からだったと思う。戦後政治など当時よくわからなかったことも今の年齢になると理解できる。これに影響されて、大石 直紀の「サンチャゴに降る雨」を後年読んだことを思い出した。好きな登場人物は、黒崎かな。kindle
2017/08/03
イケメンつんちゃ
本格的に参入いたします 昨日に引き続き 下巻へ突入 ただただ感謝しかありません 涙を流しながら 途中の難しい部分は とりあえずほかって 読み進む オチがえー 壮絶な銃撃戦が しかししかし チリも積もればなんとやら まさかまさかの クーデター その都市の名は と聞かれたら 四日市市とお答えください 絶版らしいので 絶滅危種をなんとか防ぎたいです 寄贈して頂いた方 心よりありがとうございます 十代に読んだ 自分の思いが無くならなかった 幅広いヤング層に紹介いたします 五木寛之
2024/07/02
moonanddai
話の本筋ではないが、日本民族の成り立ちみたいな話が面白かった。(私の理解ですが)かつて日本列島には海洋からの移住者の海民、山中で移動を続ける山民(そしてアイヌ民族)がおり、そこへ朝鮮半島から来た騎馬民族が海民、山民を支配するという歴史が続いてきた…。というもの。(小説には珍しいくらい)多くの参考文献の中には江上波夫の「騎馬民族王朝説」はないが、それに近いものと感じられる。そういえば(未読だが)五木氏はかつて網野善彦氏、山内昌之氏との対談しており、テーマは「日本民族と言われるものの正体」。ちょっと気になる。
2024/02/24
ネコ虎
ストーリーはやや強引だが、著者にとってそんなことはどうでもいいようで、小説に名を借りて自己の主張を散り嵌めたものか。時代がそうさせたのか、社会主義に大いなる期待を寄せていて、今読むとうそ寒い。社会主義を守るために堂々とスターリン粛清を擁護し、チリのアジェンデも政敵はスターリンのように排除すべきと新聞記者に言わせているが、五木寛之の本音だろう。今はどう思っているのだろうか、知らんぷりか。古代の海の民への言及や外道先生の登場は何のためか不明。こんなんでも昔は許されたのかねえ。
2017/03/24
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