大江戸美味草紙(むまそうし) (新潮文庫)
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大江戸美味草紙(むまそうし) (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
杉浦日向子さん、自家薬籠中のお江戸本。今回は川柳を手がかりに、食をめぐる江戸の四季。川柳は、一種謎解きのようでもあり、江戸に精通している程度によって難易度が違う。いずれの項目も江戸の情緒を堪能できるが、中には江戸っ子の大言壮語風のものもあって真偽のほどは定かではない。例えば、柳橋の「万八楼」で鯉屋利兵衛が、お酒を一斗九升五号呑んだなどと。また、モノクロながら、随所にご本人のものを含めた挿絵があしらわれており、これも江戸の風情を一層に高めている。短命だろうが、江戸に生きるのは、さぞ爽快なことであっただろう。
2014/11/16
三代目 びあだいまおう
杉浦日向子さんが、まるで江戸の暮らしを実見リポートしてくれているようなわかりやすさ。多くの川柳も面白く解説してくれて、ご自身の画なんかも挟んでくれた、臨場感たっぷりの江戸っ子面白噺!江戸通ならではの視点と口調が心地よくて通勤電車であっという間に読んだ。杉浦さんはお酒で前後不覚になったことなかったみたい!一緒に飲んでみたかったなぁ!お話メチャ面白いんだろうなぁ。ご存知?『どじやう』と『どぜう』は同じどじょうでも全然違うって!あえて一句抜き出すなら『酔いはせぬとは生酔の古句なり』杉浦さんと飲みたかった‼️🙇
2019/09/27
優希
面白かったです。いわゆる江戸のグルメ本ですが、その心はお江戸の「いろは」。初鰹の粋な食べ方、江戸のファーストフードの所縁など、美味しい情報がたくさんです。これさえ押さえておけば、江戸時代に行っても食に関しては大丈夫だろうと思いました。今まで知らなかった江戸の食文化が興味深かったです。
2017/08/15
ムッネニーク
88冊目『大江戸美味草子』(杉浦日向子 著、2001年6月、新潮社) 江戸の町を愛する著者によるグルメエッセイ。まず食にまつわる古川柳をあげ、その川柳の意味を読み解くと同時に、江戸町人の食文化を紹介する。 元旦の「雑煮」に始まり、雪の夕まぐれに食べる「ふぐ」、べらぼうに高い「初鰹」、暑気払いの「うなぎ」、スタミナ食の「さんま」、寒さを乗り切る「べったら漬」と、四季折々の江戸を巡る食い倒れ小旅行。天下泰平の世の長閑な暮らしは羨ましい限りである。 〈ふぐの門をくぐり抜けて、江戸に我が世の春が来る〉
2024/07/07
saga
【古書】江戸の師匠である著者の本を久しぶりに読む。本書はもう中古でしか手に入らなかった。春夏秋冬の順に、江戸川柳をいい塩梅に配して綴られたエッセイ。言葉も含め、江戸の当たりめぇが、現代と違っているのを知るのも興味深い。
2020/11/17
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