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一日江戸人 (新潮文庫)

一日江戸人 (新潮文庫)

一日江戸人 (新潮文庫)

作家
杉浦日向子
出版社
新潮社
発売日
2005-03-27
ISBN
9784101149172
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一日江戸人 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

杉浦日向子さんの描いてみせる江戸は、なんとも伸びやかな郷愁に満ちている。しかも、それは現代の私たちが失い、もはや取り戻すことができないものだ。ただ一人彼女だけが悠々と江戸を生きていた。「毎日が日曜日」だった江戸人。「いき」をこよなく愛した江戸人。「宵越しの銭は持たない」いさぎのよさ。彼女の本を読むと、つくづく江戸に生まれたかったと思う。せめて杉浦日向子さんお勧めの、千住大橋から芝明神にいたる江戸見物コースをたどることで「一日江戸人」の気分を満喫するか。

2014/06/21

鉄之助

著者自ら描いたイラストに、味がある。説明も「痒いところに手が届く」きめ細かさ。天下の悪法と言われている、五代将軍・綱吉の「生類憐みの令」。実は、犬小屋に「保護」という名のもとに監禁され、ほとんどの犬は病死した。それまで噛みつく「怖い犬」というイメージの市中の犬がいなくなり、犬を愛玩しペット化するきっかけとなった、という。「一日江戸人」になってみて、初めて知ることだった。

2024/10/30

こーた

落語を聴いていて、不思議だとさえおもっていなかった江戸人たちの暮らしが、ていねいに解説されていて腑に落ちる。「目黒のさんま」の殿様の、ふだんの食事はなぜ不味いのか。「夏泥」の泥棒は、なぜ着物の中なんかに銀を隠しているのか。「三方一両損」の大工と左官は、宵越しの銭を持たずにどうやって暮らしていたのか。現代は江戸時代と比べるまでもなく、圧倒的に豊かになった。でもあるいは江戸人たちのほうが、生きかたや遊びかたはずっと巧かったのではないか。だからってこの時代の暮らしに戻りたい、なんてこれっぽっちも思わないけれど。

2019/10/22

seacalf

いやもう面白いの何のって。目を見張る面白さ。江戸にまつわるトリビアが満載で、驚くほど多彩な知識に舌を巻く。何よりもカラッと明るいのがすこぶるいい。今は自宅待機であれもできない、これもできないと閉塞感に陥りがちな時期だけど、今よりも確実に不自由だったはずの江戸っ子の羨ましく感じてしまうくらいの豊かな生き方にならって呑気に構えてみれば、案外気持ちが楽になるかも。杉浦さん自身も闘病しながらも明るく前向きに生きた方だったそうな。年間おすすめ本ランク入り決定。読んでいると頬が緩んでくる幸せな読書。元気になりますよ!

2020/04/18

ひさか

興味を引く内容ばかりで、面白い。 杉浦さんのイラストがとても良い。

2012/07/04

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