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梟の城 (新潮文庫)

梟の城 (新潮文庫)

梟の城 (新潮文庫)

作家
司馬遼太郎
出版社
新潮社
発売日
1965-05-04
ISBN
9784101152011
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梟の城 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

1959年に書かれた司馬遼太郎の最初の長編小説。同年に直木賞を受賞。歴史に材を採っているが、後年の司馬のものとは相当に趣が違う。織田信長による伊賀の掃討戦(天正伊賀の乱)に幕を開け、信長の死後、秀吉の時代までを描くが、主人公の葛籠重蔵は伊賀の忍者、彼と対置される伊賀を捨てた風間五平もまた、元は忍者、木さると小萩といった女性たちも、いわゆる「くの一」である。エンターテインメント小説としての古さというか、そこにはまさに「昭和」があった。ちなみに白土三平の『忍者武芸帳』が描かれたのも、全くの同時代である。

2021/03/28

三代目 びあだいまおう

時は戦国末期、天正の乱で織田勢に一族を滅誅されし伊賀忍者の生き残り葛籠重蔵と風間五平。信長の後を奪いし秀吉の天下平定への道程、五平は伊賀を去り、重蔵は師より秀吉暗殺を請け負う!歴史の闇を暗躍する伊賀甲賀の面々と、やはり花を添える二人の女、野性的な木さると気品高き小萩。歴史の主たる人物が作品に登場するのは、600頁余を経た後の天下人秀吉のみ。忍び入る重蔵とたった二人で対面するこのシーンのための全てが序章⁉️『おなごのまこと』『忍者の哀しみ』人間と人間がかもす渦は皮肉に旋回するもの。寂寥感の余韻を誘う‼️🙇

2019/05/24

ehirano1

忍びの者の宿命はもはや人生ガチャでさえあります。それ故、ハードボイルドにならざるを得ないのですが、そんな中でも恋はその宿命のガス抜きではなく対極に存在するものとして描かれているように思います。著者の作品には「狂気」が見え隠れしますが、本書は著者の初期の作品とのことですが、それが十分表現されていたように思いました。

2024/03/02

カピバラKS

●司馬小説について、若い頃は明治幕末戦国期を舞台とした歴史群像物を好んで読み、娯楽時代物は食わず嫌いで読んでいなかった。しかし、歳を経て気も変わり、忍者活劇である本書を手に取る。●戦闘、陰謀そして性愛が溢れる波瀾万丈の物語で、ハリウッド映画のようにストーリが激しく起伏を起こし、片時も飽きることがない。更に、司馬特有の蘊蓄語りや優れたシーン描写も十二分に堪能できる。●初読時には、登場人物の中で誰が石川五右衛門なのかを気にしながら読み進めていくと、より面白く読めると思う。

2023/09/22

kazi

もう何度目かもわからん再読。著者は本格歴史小説の大家として名高く、難しそうという理由で敬遠している人が多いが、それは間違いである。これは安土桃山の京都を舞台にした忍者版ハードボイルド小説であり、忍者版スパイ小説。直木賞を射止めた最高の娯楽小説。司馬遼太郎を高尚な作家扱いするのはもうやめれ。この作家の素晴らしさは庶民が楽しめるエンターテイメント性の高さにあると私は思う。

2018/10/08

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