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燃えよ剣(下) (新潮文庫)

燃えよ剣(下) (新潮文庫)

燃えよ剣(下) (新潮文庫)

作家
司馬遼太郎
出版社
新潮社
発売日
1972-06-19
ISBN
9784101152097
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燃えよ剣(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

フィクションとはいえ、歳三の最期は壮絶のきわみだった。ただし、その壮絶さは、新しい時代の中にあってはアナクロニズムにほかならないのだが。もちろん、歳三自身にもそれは重々自覚されており、またそうであるからこそ、果敢無い「滅びの美」を煌めかせるのである。そして、表題の『燃えよ剣』は、まさにそのことを如実に物語っていた。近藤の見た大名になる夢、あるいは榎本の夢見た独立国家の樹立とも違っていた歳三の夢―それはまさに、それとたくまずして「武士道とは死ぬこと」とする『葉隠』の理想に殉じることだったのではないだろうか。

2014/07/31

海猫

なんというか、濃かった。土方歳三という人の後ろについて行ったら、思い切り時代の激動に揉まれていろいろと感慨深い。読み終わってしばらく経つとかえって場面々々が鮮烈に思えてくるし、やはり名作として残ってきた作品ではあるなあ。

2017/10/21

mura_ユル活動

あとがきで「竜馬がゆく」と同時に連載されていることが書かれている。対立したお互いではあるけれど、元々同じ物語。陸軍の奉行並みの資格を与えられ、最後は函館、五稜郭。閣僚8人の中で戦死したのは歳三だけ。そのうち4名は明治政府にも仕えた。「剣に生きるものは、ついには剣で死ぬ」、最後は剣でなかったが。「燃えよ‥」は土方歳三という人物を深く掘り下げていて特に集中して読めた。

2012/02/03

酔拳

土方歳三の男気溢れる生き様に圧倒される。土方の喧嘩屋としての技量が、江戸幕府瓦解からも発揮され、官軍が、西洋化したのなら、すぐに土方も西洋化を取り込み、すぐに、西洋式戦い方を習得したのは、柔軟性があるというか、生まれ持った才能だったのだろうか?官軍に追われ、函館まできた土方の函館の戦い方は、一言でいうとかっこいい。土方は、大鳥や榎本など、函館政府軍と一緒に官軍と戦っていたが、実のところは、土方は一人で闘いを背負っていたんだなと思った。函館開戦前にお雪が大阪から訪ねてくるシーンがとてもせつないです。

2019/04/10

そる

難しかったがやっと読めた。新撰組は刀での戦だけだと思ってたら後半大砲や銃の使用なんてほんとに戦争だったことに驚いた。その頃からもう負け続け、近藤も沖田も死んだところで歳三の喪失感を思うとやりきれない。それを振り切るようにまた戦してるのもなんだか哀愁で⋯男の同志に対する友情の強さを感じた。頑固すぎて、意見が合わないやつは斬る、ってのは同意できないけど、戦って死にたい、と貫く生き方はある意味カッコイイ。「「わかりませんよ。もってうまれた自分の性分で精一ぱいにいきるほか、人間、仕方がないのではないでしょうか」」

2020/06/01

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