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覇王の家(上) (新潮文庫)

覇王の家(上) (新潮文庫)

覇王の家(上) (新潮文庫)

作家
司馬遼太郎
出版社
新潮社
発売日
2002-04-30
ISBN
9784101152387
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覇王の家(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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こーた

家康を描いていることは間違いないが、その周辺世界にも主人公と同等以上の紙幅が費やされる。多声的である。その声の内には、もちろん筆者自身も頻繁に顔を出して愉しい。正室築山殿と嫡男信康、宿老酒井忠次、武田信玄・勝頼父子、織田信長、穴山梅雪。周縁から家康という人物に迫っていくが、決して中心に辿り着くことはない。人間は人間関係に依って成り立っている。その関係性からは、日本人とは何か、といった精神構造まで浮かび上がる。あるいは家康が天下を取ったから、かれらの精神性が日本人の典型を成した、と云えるかもしれない。⇒

2023/07/06

ykmmr (^_^)

徳川家康。自分は最も好きな歴史上の人物なのだが、その現実的でその中に存在する「腹黒さ」・「ロマンのなさ」が他の三英傑・戦国武将と比べて、若干受けが悪いのが歯痒い。そして、そんな彼に殉ずる泥臭さ・粘り強さを持つ三河武士。家康の苦労の多い人生と辛抱強い性格、織豊両氏や他の戦国武将との関係が事細かく書かれるわけだが、どんな理由や経緯があろうと、家康が戦国時代を終わらせて、その後260年余り続く政権の礎を築いた事は事実としてあり、その功績はもっと理解されるべきである。

2022/01/09

ehirano1

おそらく大部分は文献に依るものと推測されますが、家康の人としての分析がもはや心理学レベルで圧巻だったと同時に大変興味深くもありました。ちょいと昔は山岡荘八作の徳川家康がサラリーマンや会社経営者に読まれたというのも大いに肯けるくらい家康の言動には(といってもまだ前半ですが・・・)渡世のヒントが満載だったと感じました。

2023/12/16

納間田 圭

若かりし頃の家康は天下など全く眼中になかったらしい。ただ戦国の世を必死に生き…そして命を繋げた。司馬さんが…家康の性格をひたすら分析。今川家と織田家の人質人生。耐えよ耐えよ…の生い立ち。戦場で爪を噛んだり…遁走中に脱糞したり。しかし反面…見切り利く男で、あらゆる場面場面の安全の限界を把握できた。超凡の豪胆さを持っていた。そして家康にとって最も大切だったものは人間の関係。そのためには苦渋も飲み下した。上巻は…賤ヶ岳で柴田勝家を撃破した秀吉の陣に、戦勝祝いを届けたところまで。そこで一旦、秀吉の傘下に入る家康

2023/05/04

遥かなる想い

「徳川家」を三河の風土的な切り口で描いてくれている。小さいころは、あまり好きでなかった徳川一族もある意味落ち着いて読むと、立派な政治力で平和をもたらしたことがよくわかる。

2010/07/31

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