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峠(中) (新潮文庫)

峠(中) (新潮文庫)

峠(中) (新潮文庫)

作家
司馬遼太郎
出版社
新潮社
発売日
2003-10-25
ISBN
9784101152417
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峠(中) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

河井継之助による長岡藩改革。斬新な改革を進める周到さ、果断さ、藩主を後ろ楯にする準備に現代にも通じる道理を感じる。横浜でのガットリング砲との出会い。美術品を売り激動の時代に向け当時の国内最高水準の火力を手に入れる。実に活きた金の使い方だろう。参勤交代を廃し逆に地に落ちる幕府の権威。奇策の大政奉還も薩長に切り返され、徳川は国内諸侯の主たる資格を喪う。偶然も重なる鳥羽伏見の戦いは薩長が勝つ。当時の幕府軍の司令官と言い、旗本八万騎は有名無実になっていた。歴史小説なので脚色もあると思うが、河井継之助が実に魅力的。

2019/12/01

修一朗

中巻は,あっという間に長岡藩家老にまで昇進した継之助が藩存続のために奔走するところだ。動乱の江戸や京都から遠く情報が届かない越後の藩は右往左往させられる。なんといっても江戸城内の福沢諭吉との対話が秀逸。幕藩体制から脱却せんとする日本の未來を冷静に見据えていた二人なのに,藩や徳川の存続に未練がない福沢諭吉と,最後まで立場を捨てずに藩に殉じる継之助の問答に感動した。理屈では福沢諭吉だけれども継之助の決断にも義の爽快感を感じるのだ。下巻へ。

2020/03/23

mura_ユル活動

越後長岡、藩主牧野家7万4千石。藩士河井継之助。世は安政の大獄の思想弾圧のさなかに、江戸へ遊学。西への遊歴、江戸を経由し長岡へ。京では池田屋の変(上巻)。最新の兵器を集めるべく資金調達のため藩政を努め、京では大政奉還。鳥羽伏見の戦いから慶喜の大阪城脱出。江戸の官軍が来るまでの状況(中巻)。 さあ、下巻へ!

2014/05/02

koji

北越戦争の長い長い序章が続いています。家老に昇進した継之助は多事多端。賭場・女郎屋の廃止、武器の買付、藩主を率いての上京、福地桜痴・スネル等との交流のから、小さな諍いの調停まで、無尽の体力と胆力と知力で乗り切っていきます。この巻でも、早駕籠の苦行やらお抱え力士両国の登場やらの小ネタから、徳川慶喜の大阪脱出やら福沢諭吉の文明論やら有栖川宮熾仁親王の東進等大きな幕末の動きまで、司馬さんの筆は冴えまくります。そして、この『峠』をじっくり味わい乍ら読んで、漸く司馬さんが私の体になじんできたことが分かりました。収穫

2022/12/16

アキ

慶応元年河井継之助が長岡藩の外様吟味となり藩内の百姓一揆を裁判で防ぎ、翌年に町奉行となる。同年夏長州征伐における幕軍の敗退、家茂の病死、冬慶喜の宣下、孝明天皇の死と次々と天地が崩れる予兆が起こる。「世の中はいきものだよ」大政奉還により各藩は徳川家との関係がなくなるが、長岡藩の牧野家は忠訓が藩主を継ぎ、上方で徳川側で鳥羽伏見の戦いに参加することになる。「風雲のなかに独立すべし」と継之助は伊勢から江戸に向かい石高をやめ、軍を西洋式に変え、武器を購入する資金を調達する。官軍が迫る中、長岡へ帰る道はあるのか?

2022/08/17

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