真田太平記(二)秘密 (新潮文庫)
真田太平記(二)秘密 (新潮文庫) / 感想・レビュー
海猫
いまのところは大河小説としての大きなうねりにはまだ入ってないと思うし、展開的にも一つの山場を手前にして二巻は終わった感じ。しかし語り口は池波節がいよいよ乗ってきて、真田家の面々が立ち上がってくるわ、それを彫り込むような各エピソードが興味深い。あと艶っぽい場面があったり女を知って男が成長するとかこういうところも池波正太郎ですね。
2017/01/28
やま
【再々読】 血沸き肉躍る 真田太平記㈡ 2010.10発行。大活字文庫。大活字文庫の真田太平記㈡の底本は、新潮文庫です。このため登録は新潮文庫で行います。 上信州の弱小大名・真田が、家を、領地を…を存続させていくための戦いの物語です。 そんな中で、21才の佐平次と、19才のもよが夫婦となった。その幼さない夫婦を見ていると、微笑ましいです。佐平次は、思い返せば、2年前に高遠城よりお江により助け出されなければ、今日は無かったのです…。 声を出して読んでいると、血沸き肉躍るという表現がぴったりの本です。→
2020/08/07
とん大西
本能寺の変-驚天動地に天下騒然。地方の一勢力に過ぎない真田も同様。息を吹き返した上杉と北条、胎動した秀吉と家康。昨日の友は今日の敵、その逆も然り。大勢力に挟まれた真田のサバイバルも始まる。忍びを駆使して英断果断、御屋形昌幸の熟達した采配。…と反比例するかの如くトホホなオヤジっぷり…。妾と逢瀬を重ね、正妻に怯え、嫡男信幸を疎み、次男幸村を溺愛し…。冷徹で勇壮な戦国武将がみせるお茶目な横顔。草刈昌幸のコミカルなダンディズムがよみがえります。家内のザワツキをよそに着々と動く戦況。次は上田合戦、さぁ来い、徳川!
2021/05/02
優希
真田家の暗部や確執が見えてくるようでした。幸村の誕生の秘密、親子、兄弟、夫婦間が絶妙な関係を保ちます。信長の死後、情勢は大きく変化したため、真田家も危うく。生き残りをかけて幸村を上杉の人質に出し、同盟を結ぶことで何とか首の皮をつないだようですが。これを機に、幸村と信幸がどういう関係になっていくのかが注目ですね。今や絶対的立場の家康と秀吉。権力二分化という時代になったことによる真田の動きとは。大河とは異なる展開の予感がします。
2016/11/04
あすなろ
本能寺の変後、そして武田も亡き後、真田昌幸が如何に考え上田城を造り、一家を護ろうとしたかがよく分かる。羽柴・徳川・北条、そして上杉と囲まれ、組むか組まざるのか。いずれにせよ、他国で戦が起こる度に我等は浮かび上がる事よ、と築城叶った上田城にて言って退けるまでになる。その中での源二郎幸村やその血縁者達。昌幸の寵愛を受ける女人達とその子達。なかなか面白い。引き続き三巻へと歩を進めよう。そして、先日長野の上田や小諸を歩いて本当に良かった。リアルに池波氏の描写が浮かんで来るのである。
2024/10/06
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