剣客商売 六 新妻 (新潮文庫)
剣客商売 六 新妻 (新潮文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
この第6巻にも、7つの話がおさめられています。目玉は三冬の嫁入りでしょうね。堅物の二人がやっと一緒になって両方の父親ともほっとしている様子です。三冬は以前と比べて女性らしくなっていますがやはり世間しらずのところがあります(片肌脱いでほしいと小兵衛に言われての反応など)。人情モノなどがありますが、相手が大名などが絡むと主人公もうまく田沼老中を利用している感じがします。変わり映えしないといえば言えるのですが楽しめることは間違いありません。
2023/09/18
yoshida
「剣客商売」シリーズ第6作。安定の面白さ。シリアスな場面だけではなく、コミカルな場面もある。そして人情にしんみりする。今回はようやく大治郎と三冬が結ばれる。標題作が「新妻」であり予測はついた。しかし二人が結ばれるのは「品川お匙屋敷」であり、池波正太郎さんの筆力の豊かさを改めて感じた。他にも「金貸し幸右衛門」に「道場破り」等、粒揃いの作品が揃う。他者から受けた恩義を忘れずに、事が起きれば動く人々の姿が美しい。更にそこから生まれる哀しさもあり、哀愁を感じる。素朴な食事の場面も魅力的に描かれる。繰返し読む作品。
2021/04/24
ゴンゾウ@新潮部
待ちに待った大治郎と三冬の結婚。剣一筋に生きて来た初心なふたりがとても微笑ましい。小兵衛親子に出会い、男勝りで気性が激しい三冬が少しづつ綺麗な女性に変貌して行く。反面伴侶を得た大治郎は益々男らしくなって行く。清々しい作品。
2017/01/02
優希
「お約束」的なタイトル通り、目出たく大治郎と三冬は祝言を挙げ、夫婦となります。三冬への想いと事件の展開に引き込まれました。結婚しても大治郎と三冬の雰囲気は馴れ合いという感じで微笑ましく、心から祝福したくなります。駆け引きや殺し合い、果たし合いと残虐なことも起きますが、剣客として挑む姿も引き締まっているだけでなく、堕落した武家の様子もきちんと描いているのがいいですね。三冬の新妻っぷりが初々しくて可愛らしかったです。
2016/03/17
R
大治郎と三冬さんが結婚するお話を中心に数編。相変わらず秋山先生の強さが際立っているんだが、その対比というべきか、若さという違いのある大治郎の煩悶や、考え方、そして変化というものが描かれているのがとてもよい。大恋愛とは異なるのだろうけども、相応の色恋模様が描かれて、その姿もまた大治郎らしさにあふれているというのが実によいんだが、三冬さんがまた、とてつもなく愛らしいのが素晴らしい。大治郎の成長が見て取れるのもまた面白い。
2023/07/06
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