日本人は笑わない (新潮文庫 こ 10-33)
日本人は笑わない (新潮文庫 こ 10-33) / 感想・レビュー
もりくに
小林信彦さんが、脳梗塞で倒れ、「週刊文春」の連載を休止した時はガッカリしただけに、「リハビリ記」で復活した時には、とてもうれしかった。そこで同氏の90年代の時評的エッセイを読んでみた。「あとがき」で犀星の「随筆は小説家の命トリである」を引いている。が、彼がエッセイなどを書くのは、彼の小説が、エッセイやコラムから発想されているためだとのこと。(実は、彼のエッセイは愛読してるが、小説は未読。反省!)時評的エッセイは、当然タイム・ラグがあるが、後世に書かれる「現代史」からは抜け落ちる「時代の匂い」がより漂うと。
2018/06/01
猫丸
老人の繰り言は人類普遍。昔は良かった、今の文化は堕落している。あれも無くなった、これも無い。本書も同じような観点から書かれている。東京生まれの特権意識がそこに加わる。年寄りは若者を蔑視したがるが、ここには秘密がある。僕は「同じ年代であったときの自分と同質の標的をつかまえきれていない」のが原因とみている。たとえば自分が早稲田の学生だったとして、今の早稲田と比べたって質が違うのは当たり前だ。上下ではなく異質なのだ。山本夏彦も同様だが、くたらぬ文句はやめて自ら良いと思う文化を伝えることに専念すればいいのに。
2018/12/19
Gen Kato
再読。題名の「逆説」(本当の「笑い」を「笑えない」と言っているのだ)が身にしみてわかるのは、こちらも年齢を重ねたせいでしょうか… 「同時代における批評」の重要性もしみじみとわかる。もはやこのような「美空ひばり論」は読めまい。
2014/11/16
聡太郎
著者の偏屈さがかいま見えていまいちノレなかった。
2012/01/31
koishikawa85
散漫な内容のエッセイ集だが、美空ひばりの少女歌手時代に関する文章は興味深い。
2013/03/05
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