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和菓子屋の息子: ある自伝的試み (新潮文庫 こ 10-35)

和菓子屋の息子: ある自伝的試み (新潮文庫 こ 10-35)

和菓子屋の息子: ある自伝的試み (新潮文庫 こ 10-35)

作家
小林信彦
出版社
新潮社
発売日
1999-04-01
ISBN
9784101158358
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和菓子屋の息子: ある自伝的試み (新潮文庫 こ 10-35) / 感想・レビュー

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kinupon

著者のいろいろな作品が形成されたバックグランドが見えるような気がしました。

2016/12/20

ワッピー

昭和初期から小林信彦の育った日本橋界隈の雰囲気と変遷を家族史、建物、人心や娯楽、事件といった様々な角度から切り取った町の肖像エッセイ。前に読んだ「私説東京繁盛記」に横溢する町への独特の感情は、こういった幼年期から形成されてきたものなのかもしれないとちょっとわかったような気がしました。特に「下町の人情」という戦後のマスメディアが作り上げた虚像への違和感というのは納得です。また、母方の祖父高宮信三氏が几帳面に残した手紙や日誌の覚え書きを集めた膨大なファイルの細やかさには脱帽。

2019/12/26

Willie the Wildcat

軽妙な語り口で、自家を通して振り返る下町。羅宇屋、一銭蒸気、ゾッキ本、果ては珍優・高勢実乗・・・。ググりました。(笑)隅田川の当時の描写が、特に印象深い。”土左衛門”・・・って、”隣国”の公害のことをとやかく言えないなぁ。本好きにとって興味深いのが『崋山と長英』。何故に唯一、しかも山積み?それにしても信三氏マメだなぁ。無論、「デートリッシ」で最後まで通した著者の茶目っ気にも好感。(笑)

2015/04/11

エドワード

私は昭和の東京を描いた作品に目がない。小林信彦氏は両国の和菓子屋生まれ。二人の祖父、小林安右衛門氏と、青山で工場を営む高宮信三氏への愛情が文章にあふれている。高宮氏の日録が克明で、披露宴のメニューがしつこく出てくるのがいいですネ。小林氏によれば、下町の定義が次第にずれていき、言葉がすたれ、今や幻となりつつあることがわかる。私は「寺内貫太郎一家」を思い浮かべた。だが谷中は山の手だ。でも谷崎潤一郎が掲げる江戸っ子気質、見栄坊のくせに意志が弱く、無精、やせ我慢、ハミカミ屋等に寺内貫太郎は殆どあてはまると思うね。

2013/06/01

sasha

自身の記憶と母方の祖父が残した資料を頼りに、戦前・戦中・戦後の東京下町の変遷を描いている。映画やテレビドラマで描かれるベタな下町人情とは違った、作りものではない昭和モダニズムである。著者の母上はふたりの息子どちらにも家業を継がなくていいように育てたのか。

2019/07/24

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