江戸学講座 (新潮文庫)
江戸学講座 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
宮部 みゆき、逢坂 剛、お二人の作家が灯台史料編纂所教授の山本 博文氏に江戸人たちの暮らしの実態を聞くというスタイル。話題は奥女中の実態や武士たちの就職戦線、あるいは明暦の大火や安政の大地震といった天変地異から民衆たちが大狂乱したお伊勢参りまで、実に多岐に及ぶ。いずれも確かな資料に基づいたお話し。もっとも興味深かったのは島津家文書の「江戸大地震の図」という絵巻。大変な時にこそ、江戸の人たちの市民としての実力がわかる。また、お伊勢参りの項などは、江戸がもはや資本主義社会を形成していた ことがうかがい知れる。
2015/10/30
小梅
対談形式なんですが、話しながら時代小説の構想を練ってたりするんだろうなって感じた。NHKの時代ドラマ「ブシメシ」や昔にみた「伝七捕物帳」や、もちろん「鬼平」が頭の中をグルグルしました。
2018/03/03
mura_ユル活動
『歴史をつかむ技法』の歴史学者の山本氏、百舌シリーズの作家逢坂氏、深川に住む作家宮部氏の対談をまとめたもの。大きな章は「武士と奥女中のサバイバル・ゲーム」「治安維持と災害対策」「旅と海外貿易」。中でも勤番武士の項と明暦の大火は大変面白く拝読。明暦の大火の影の目的に驚愕。宮部さんから問いに山本さんが即答、すごいなと感じた。江戸組織の各位の名称などの図がわかりやすく、時代小説を読む際は手元に置きたいと思う。
2016/11/24
おか
歴史学者の山本博文さんに 宮部さんと逢坂さんがこれからの著作の為に興味津々で江戸時代の様々な事を聞き取りをしている。これは 今後江戸時代物を読む為には必携の書です。旗本の出世コースの図解だの辻番や自身番、木戸番の区別 等々 知っているようで余り気にしていなかった事等がきちんと理解でき 物語の構成や その時の人々の気持ちまでもが理解できる と思います( ◠‿◠ )
2018/09/14
こばまり
人気作家が人気学者に教えを乞う。面白くないはずがない。目がランランというか、ネタにする気マンマンで前のめりなのが伝わってくる。それにしてもさすが時代物を書かれる作家両氏。博学である。
2018/02/23
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