KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

作家
日高敏隆
出版社
新潮社
発売日
2006-11-28
ISBN
9784101164724
amazonで購入する

人間はどこまで動物か (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

タイトルだけを見て購入したので、ヒトとはいっても、ある意味では特別でも何でもなく、動物としての側面から語るものだとばかり誤解していた。その意味では期待とは違ったのだが、これはこれで楽しく読めるエッセイだった。著者の専門は昆虫の生態学のようで、したがって昆虫に関する話題が中心。モンシロチョウとアゲハチョウの生存戦略の違いや、僥倖に頼っているとしか思えない(でも、ちゃんと今まで生存している)ツチハンミョウの一生など、読んでいて興味は尽きない。著者の問いは常に「彼らは何故そんなことをするのか?」にあるのだ。

2014/06/12

やすらぎ

新潮社「波」への連載をまとめた本。琵琶湖周辺の生物を中心に、生体の研究、外来種から環境問題まで、幅広く記録する。…雄タヌキの家族への愛。紋白蝶と揚羽蝶のロジックの違い。滋賀県立大学に接する犬上川河口の改修計画。貴重種が生えていて棲んでいる場所は守ろう。水はたっぷり流れている。美しかったタブ林は再び根付くだろう。タヌキは野草が生えた島を往き来できるだろう。…「人間はどこまで動物か」という表現。人間は単なる動物ではないということか。道ばたに繁る草も生き物である。その問いがある限り、自然との共生は難しいだろう。

2020/10/03

kinkin

新潮社のPR誌『波』に猫の目草と題して連載されたエッセイ集(あとがきより)冒頭の「町の音」、そういえば朝起きてスズメの鳴き声があまり聞こえなくなったことや野良犬の吠える声、小学生の子どもたちの元気な声も。「音」に敏感になった人々が町の音を消し続けていることを知る。「ショウジョウバエの季節」や「冬の草」といった身近な自然のことや、花粉症、季節、外来生物やタヌキのことetc。どれもわかりやすくおもしろいやさしい文章だ。自分の身の回りにある自然を疑問を持って見ると面白いと思った。表紙と本文の挿絵も素敵だな。

2018/03/02

小梅

具体的な死、というものを知ってしまった唯一の生き物である人間。人間の勝手で壊してしまった自然環境を可能な限り戻す努力をしなければならないと思う。日高先生が大学の芝生も刈らずに小さな草花が生えるのを楽しみに観察していたのに、近隣の家から雑草の種が飛んでくるから手入れをしてくれって抗議されたって…人間は自分勝手な生き物であるが、他人を思いやれる生き物でもあると思うのだが(´・_・`)

2014/08/12

mae.dat

前作『春の数えかた』に続く日高せんせーのエッセイ集。本書のタイトルもエッセイの一つから採られていて、この事だけに特化していませんので、悪しからず。 で、感想は『春の数えかた』とさして変わらないのですが、本書ではより自然をあるがままにしておいて欲しいとの気持ちを感じました。 そして、マジか⁈って話は幾つも有りますが、『モンシロチョウとアゲハチョウ』って話は驚きがあり面白かったです。知らんかった。凄いなー。イモムシ超苦手ですが。アゲハチョウに至っては成虫も好きくないですけど。

2020/05/10

感想・レビューをもっと見る