格闘する者に○ (新潮文庫)
格闘する者に○ (新潮文庫) / 感想・レビュー
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️しをんさんの本を何冊か読んで余りに琴線に触れる感触から気になり出し、これは最初から時系列を違えずにロックオンして残らず読む必要がありそうだぞと去年の浅田さんに続いて俄かに危機感を感じ始めまして、本書を手に取った次第です。僅か24才で書いた処女作との事ですが、やはり予感は的中しており瑞々しい感性があふれる素晴らしく読ませる作品で月並みですが何処から眺めてもとても初めての著作とは思えない作品でした。これからしをんさんの著作を楽しめる高い確率の発生が確信に至り、読書の神様?に深く感謝致しました。
2015/03/11
ミカママ
しをんさんの作品はほぼ読んでると思っていたが、今さらながらのデビュー作。なんと完成されたデビュー作であることか。軽快な文章、人の孤独・哀しみ、そこから立ち上がっていく主人公。ファン必読の書です。
2017/09/10
さてさて
『あくまで小説、フィクションです』と自伝ではないと語る三浦さん。でも、就職活動では出版社への就職を目指されていたのは事実であり、虚構と現実の線引きが微妙なこの作品。K談社、集A社、S学館など、伏せ字の意味をなさない活動先での面接シーンを含め、誰もが通る就職活動というビッグイベントをリアルに描写したこの作品。“三浦しをんさんは、もう最初から三浦しをんさんだった”、ということを実感させられる”三浦しをんさんらしさ”ど真ん中!のこの作品。若さ故の圧倒的な推進力でぐりぐり読ませる三浦節炸裂しまくりの作品でした。
2021/04/06
Atsushi
著者のデビュー作。当時24歳にしてこれだけの作品を創作するとは、心から脱帽。就活を軸に物語は進むが、主人公可南子を取り巻く個性的な登場人物が何とも魅力的。特に義弟の「旅人」。何にも考えていないようで、しっかりと周りの空気を読み、将来を見据える凛とした姿が良かった。面接シーンでは、特にやりたいこともなかったが、「就職せねば」の一心で面接に臨んだ若きころの自分を思い出した。可南子は就活を続けるのだろうか。良き出会いがありますように。ニキちゃんも大学院でがんばれ。
2017/05/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
『風が強く吹いている』『光』でハマり、カタツムリより遅いスピードで追っている三浦しをんさん。未読だったデビュー作は、しをんさんのエッセイをそのまま小説仕立てにしたような。白の軽トラックはデビュー作から登場していたのですね。近畿地方のもの凄い山奥で林業する忍君たちは『神去なあなあ〜』の萌芽?重松清さんの解説に「エージェントと組んで単行本デビューを果たすという、新人賞経由ではない新しいかたちで出現した作家」が気になり検索。早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接官の編集者・村上達郎氏が、文才を見いだしサイト→続
2013/05/15
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