秘密の花園 (新潮文庫)
秘密の花園 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
なんて淫靡なタイトル!これほんとに「しをん」さん?って疑問符いっぱいで読了。結果、まさにに「しをん」さんでした。この作品の受け止め方って、読者それぞれが過ごした高校生活によってイロイロだと思うんですが、実は私も女子高育ち。身体じゅうを駆け巡る女性ホルモンをなだめながら、受験のプレッシャーや、オンナ友だちとの腹の探り合いに明け暮れ、そりゃあ他人に言えない秘密もできますって!教師に恋するのも普通なら、友人に嫉妬したりも普通。そんなこんなが、とっても繊細に描かれてます。男性には読ませたくないな、コレ(笑)
2015/11/22
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️図書館本。少し手を出すのを憚れる題名でした。男子校出身である私の高校時代はこれと対極であるかと思われがちですが、全くの自意識過剰であるところはソックリでしたし、異常に傷つきやすいのが多かったのも同じでした。やはり思春期は出来れば共学で過ごせた方が偏った思考の吹き溜まりにハマらずにより素直に育てて自然だと思います。本作品を読んで自分の男子校時代の余り楽しくない方の思い出をたくさん思い返せたのは意外な感覚で思いがけない収穫でもありました。
2014/10/20
SJW
ひょっとしてドタバタの抱腹絶倒な話かと思いきや、カトリック系の女子高に通う三人の少女たちの友人、恋愛、社会との関わりなど、それぞれ異なる想いを模索して、自分の居場所を探すストーリー。女子高生の気持ちや考えにかなりの違和感があり、醒めた目で読み、現実とのギャップがありすぎると感じた。しをんさんの小説では異色の話ではないかな。
2018/03/19
夢追人009
バーネットの小説とも松田聖子の歌とも内容的に全く関係のない三浦しをんさんの初期青春小説ですが「舟を編む」とは完全に異質な世界の物語でしたね。遊び心を感じたのは、那由多と丈の姉弟の名が数量の単位である事、色を冠した名前、紺(幻)・翠・碧の兄姉弟でしたね。本書は相当に難解で特に哀しいのは、那由多・淑子・翠のヒロイン3人が自らの抱えた秘密と悩みを素直に打ち明ける勇気を最後まで持てない事、そして単純なハッピーエンドで安心させてはくれない事ですが、私は那由多が復帰した様に淑子も何時か必ず帰って来ると信じたいですね。
2019/01/27
hiro
しをんさんの本35冊目。コンプリートのため、内容をあまり知らずに読み始めたが、まずミッション系女子校出身、少女漫画好きのしをんさんが書きたかった小説だと感じ、しをんさんのお仕事小説系など軽快な小説とは違う、後の『光』や『天国旅行』に繋がる作品だった。ミッション系女子高に通う3人が主人公を通して、少女の残酷性、女子高の閉塞感が強く感じられた。この主人公達は、柚木麻子さん作品『あまからカルテット』の同じく女子校出身の4人の主人公達のように、将来も親友として付き合っていけるのだろうかと、ふと思った。
2014/05/09
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