ブンとフン (新潮文庫)
ブンとフン (新潮文庫) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
ブンは文だと思っていたが、蚊なのだろうか。聞なのだろうか。フンは分なのだろうか、糞なのだろうか。いろいろ想像しながら読み進む。軽快な滑り出しはひょっこりひょうたん島のよう。「人間の目がくもりますもの。権威をもつと」。新潮文庫100冊で手に。「地元の図書館に1部寄贈することにしているが、そのたびに」そうそう、図書館の人はなぜ地元の作家を大切にしないのだろう。偉そうに。気持ちが分かる。自分たちが、作家と読者の仲買をしているのだから、作家も読者も両方とも住民だということに気がついていないのかも。解説扇田昭彦。
2013/06/13
相田うえお
★★★★☆ 当方が出会った先生の中で一番尊敬出来たのが小学5〜6年の担任でした。いや、出逢った人の中で一番尊敬しています。その先生の毎日の宿題が読書ノートというもの。自由に好きな小説を数ページでもいいから読んで、毎日、感想をノートに書く感じ。そのとき先生が薦めた作品なんです。想い出の作品なんです。その頃は、井上ひさしさんと星新一さんの作品ばかり読んでました。読んだ作品を全て読了登録するのが面倒でしてませんがお気に入りさんの読了本見てたら、この本は当方にとって大事な一冊だったのでは?と今頃気付きました。
2016/09/25
てち
やはり、井上ひさしは面白い。言葉選びが秀逸で実にくだらない。その荒唐無稽なのが良いのだが。
2020/11/16
セウテス
〔再読〕何回再読したのか、判らない作品の一冊であり、井上氏のデビュー作品でもある。フンという作家の作品の中に描かれた、ブンという泥棒は次元の間を自由に行来でき、何一つ不可能のない存在である。このブンとフンが巻き起こす、ナンセンスな物語である。ナンセンスとは何かと、初めて真剣に考えた作品である。随所に散りばめられた言葉遊びや、荒唐無稽なイタズラの数々に笑いが止まらない。だがハチャメチャなだけではなく、笑いの陰に様々な人々への皮肉が隠れている。権威権力へのシビアな警鐘をならしながらも、言葉の愉しさを味わえる。
2019/07/10
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
売れない小説家が描いた物語の主人公が、小説の世界から飛び出した。時間と空間と性別をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、何一つ不可能はない四次元の大泥棒『ブン』。世界中に奇怪でユーモラスな事件が同時多発する。小説『ブン』はヒットし12万部を増刷。その本から次々と怪盗ブンが飛び出してきて……。常識と権威を笑い飛ばすノンストップの言葉遊びとパロディ。ルイス・キャロル×天才バカボンをスケールアップさせたナンセンス文学の傑作。1970年発行。『ひょっこりひょうたん島』を産んだ放送作家・井上ひさし氏の処女作。
2015/10/17
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